
皆さま、おはようございます。CFP(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)のワイワイこと岩井です。
6月のアメリカの消費者物価指数(CPI)が発表され、アメリカの物価上昇率が事前予想以上に鈍化したことが確認されました。
・前月比:-0.4%(+0.5%)
・前年比:+3.5%(+4.2%)
※カッコ内は5月の数値
数字の変化をグラフで確認してみましょう。
米・消費者物価指数(前月比)

出所:米労働省
データは2021年以降の前月比をグラフで表していますが、ほとんどの月で前月比はプラスとなっています。今回記録した前月比-0.4%という変動は、非常に珍しいケースだったことが確認できます。
米・消費者物価指数(前年比)

出所:米労働省
アフターコロナによる急激な物価上昇が落ち着いた後も、物価上昇率は一定水準で推移していました。しかし、今年3月以降は再び上昇傾向となり、5月には前年比+4.2%まで上昇しました。6月に0.7ポイント低下した背景には、それまでの上昇に対する反動もあったと考えられます。
今回、前月比が-0.4%と大きくマイナス圏まで低下した要因の一つとして挙げられるのが、原油価格の落ち着きです。
次のグラフは、アメリカのニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引されているWTI原油先物のチャートです。
WTI原油

出所:TradingViewによるWTI原油チャート
アメリカとイランの軍事的な対立によってホルムズ海峡の利用が制限されたのは、2026年2月28日の出来事でした。アメリカによる攻撃が起きる前のWTI原油は58ドル台で推移していましたが、その後大きく上昇し、2週間後には100ドルを上回る水準まで値を上げました。
先ほど確認した「米・消費者物価指数(前年比)」と比較すると、原油価格が急上昇したのは2026年3月以降であり、CPIの上昇率が再び加速した時期ともおおむね一致しています。
日本でも問題となりましたが、原油はガソリンや灯油などの燃料として利用されるだけではありません。原油を精製して得られるナフサは、プラスチック製品やポリエステルなどの合成繊維、自動車のタイヤに使われる合成ゴム、洗剤や塗料など、さまざまな化学製品の原料となっています。そのため、中東情勢の悪化による供給不安が原油価格を押し上げ、それが物価上昇圧力につながった可能性があると考えられます。
6月に入り、アメリカとイランの対立が収束に向かったことで原油供給への懸念が和らぎ、結果として6月のアメリカ消費者物価指数の伸びを抑える要因になったとみられます。
物価は株式市場に大きな影響を与えます。そして、その物価には原油価格が大きく関係しています。そのため、株式投資を中心に行っている方であっても、原油価格の動向を把握しておくことは、今後の相場展開を考察するうえで重要だといえるでしょう。
6月17日には、アメリカとイランの間でイスラマバード覚書が署名されましたが、その後も両者による攻撃は断続的に続いています。
今後の原油市場や物価動向を占ううえでも、この問題は引き続き注目すべきテーマの一つといえるでしょう。
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