
皆さま、おはようございます。CFP(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)のワイワイこと岩井です。
「明らかにデフレの状況にはない」
この一文は、令和7年度の年次経済財政報告(内閣府)に記載されたものです。
この言い回し、「もはや戦後ではない」と似ていると思いませんか?
「もはや戦後ではない」という言葉は、1956年(昭和31年)の経済白書に記載されたもので、第二次世界大戦後の復興期から高度経済成長期への移行を象徴する流行語となりました。
今回の報告書では、
”
「我が国経済は、現在、消費者物価が上昇しているという点で、明らかにデフレの状況にはなく、経済学的に言えばインフレの状態にあるが、再びデフレに後戻りする見込みがないとまでは言えず、これについては総合的かつ慎重な判断が必要である。」
”
と記載されています。
これは、デフレの状態からインフレの状態へと変化したことを示す記述といえます。
以下のグラフは、日米欧のサービス物価の上昇率を示したものです。
日米欧のサービスの物価上昇率
※出典:年次経済財政報告(内閣府)
1990年代後半から約20年間、日本のサービス物価は0%に近い水準で推移し、米国や欧州と比べて非常に低い水準にありました。
しかし2023年以降は、2%に近い水準での上昇が続いており、「明らかにデフレの状況にはない」ことを裏付けています。
このような状況変化を受け、私たち一般消費者もインフレへの対応を本格的に考える必要があります。
たとえば、現在1万円で買えるものが、来年も同じ金額で買えるとは限りません。
仮にインフレ率が年2%であれば、1年後に同じものを買うには10,200円必要になります。
物価は複利で変動するため、10年後には12,190円、20年後には14,859円必要になる計算です。
つまり、年2%のインフレが続く場合、それ以上の利回りで運用できなければ、実質的に資産の価値は目減りしてしまうということになります。
例えば、銀行で年利1.5%の10年定期預金を100万円分預けた場合、単利計算であれば毎年15,000円の利息を受け取り、10年間で計15万円受け取ることになります。
一見すると得をしたように思えてしまいますが、10年間で物価が約1.219倍に上昇すると、実質価値は目減りしているのです。
インフレリスクを回避する代表的な方法は、主に以下の2つです。
ゴールドバー、宝飾品、アンティーク時計、不動産など、時間が経過しても劣化しない実物資産を保有することは、インフレリスクを回避する有効な方法です。
2.期待インフレ率以上のリターンが期待できる金融商品で運用する
資産の実質価値を維持・増加させるには、最低でも期待インフレ率を上回る運用成績が見込める金融商品を選ぶ必要があります。
過去20年間、デフレが続いていたため、いきなり「明らかにデフレの状況にはない」と言われても戸惑うかもしれません。
しかし今、経済のフェーズが変わったということを私たちも認識すべき時に来ていると感じ、記事にしました。
※このコメントは筆者の個人的見解であり、内容を保証するものではありません。また、特定の売買を推奨するものでもありませんので、ご了承ください。
・年次経済財政報告(内閣府)
https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je25/index_pdf.html




