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トランプ大統領の相互関税と今後のシナリオ考察

2025.04.03

皆さま、おはようございます。CFP(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)のワイワイこと岩井です。

トランプ大統領が発表した相互関税の影響により、日経平均株価は大きく下落してのスタートとなりました。

発表された主な相互関税
・日本(24%)
・EU(20%)
・英国(10%)
・中国(34%)

株式市場に大きなインパクトを与えましたが、今後の展開について考察してみたいと思います。

アメリカのGDPの約7割は個人消費が占めています。相互関税を実施すると輸入品の価格が上昇するため、これまでと同じ数量を消費するには、以前の価格に関税を加えた金額を消費者が支払う必要があります。関税による価格上昇率と同じ割合で収入が増えない限り、これまでと同じ数量を消費することは難しくなるでしょう。

単純に関税で引き上げられた分だけ労働者(消費者)の収入を増やすことができれば、これまで通りの消費が可能になりますが、理論上、それは容易ではありません。

例えば、輸入業者Aが100ドルで輸入した商品Bを200ドルで販売していたとします。日本から輸入する場合、100ドルに24%の関税が課せられるため、輸入した時点で原価は124ドルに引き上げられます。売上高から原価を差し引いたものが売上総利益(粗利)となりますが、従来と同じ200ドルで販売した場合、これまで100ドル得ていた粗利は76ドルに減少してしまいます。

売上総利益(粗利)には、人件費や賃料などの販売管理費が含まれています。粗利が減ることで、人件費に割ける金額も減少します。

では、粗利の減少を回避するために、販売価格を224ドルに引き上げた場合はどうでしょうか。関税に相当する24ドルを上乗せすることで売上総利益は100ドルを維持でき、人件費の削減を避けられます。しかし、問題はその価格で商品が売れるかどうかです。

労働者は消費者でもあります。先ほどの例でいえば、商品Bが224ドルに値上がりした場合、その価格で購入できるだけの収入がなければ、消費者は購入を控える可能性があります。後者の例でも粗利は100ドルから増えていませんので、労働者の収入に変化はなく、消費額の上限も変わりません。

関税によって引き上げられた24ドルは政府の収入となりますが、最終的にそれを負担するのは消費者であるため、事実上の増税と考えることもできます。

関税によって得られた税収を政府がどのように活用するのか。

今後のトランプ政権の政策に注目したいと思います。

※本コメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。

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