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消費者物価指数とエンゲル係数

2025.03.21


皆さま、こんにちは。CFP(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)のワイワイこと岩井です。

本日、日本の2月の消費者物価指数が発表されました。
前月比は-0.1%と小幅な下落となり、前年比では3.7%と先月より0.3ポイント低下しました。

全国消費者物価指数

出典:総務省統計局

単月で見れば下落していますが、依然として2022年後半から年明けにかけてのピークに迫る高水準にあることは変わりません。

内訳をみてみると、食料品の値上がりが目立ちます。

表1. 上昇率が高かった食料品
・キャベツ(+130.5%)
・うるち米(+81.4%)
・みかん(+37.5%)
・チョコレート(+30.4%)
・コーヒー豆(+22.9%)

多くの家庭で日常的に消費される食品が、軒並み値上がりしています。

少し前の話ですが、エンゲル係数が1981年以来の高水準になったことが話題になったことを覚えていますか?
エンゲル係数とは、食費を消費支出で割った割合のことです。

消費者物価指数のデータでは、食料のシェア率は26.26%なっており、エンゲル係数と大きな差はありません。

どうしてエンゲル係数が上昇したのか考えてみる

まず、家庭の支出を「固定費」と「変動費」に分けて考えてみます。
家庭の支出も、企業の支出と同じように固定費と変動費に分けて考えると、興味深いことに気が付きます。

一覧1.固定費(毎月ほぼ一定額の支出)
・家賃
・水道光熱費
・通信費
・学費
一覧2.変動費(増減がある支出)
・食費
・交際費
・交通費
・洋服代
・クリーニング代

家計の見直しを行う際、固定費をすぐに削るのは難しいため、まず変動費の削減から取り組むことになります。
例えば、「外食を減らす(交際費)」「新しい服を買わない(洋服代)」「タクシーを使わない(交通費)」といった節約が考えられます。

食事は人間が生きていくために必要不可欠なものですが、大きく分けると「嗜好品的な食事」と「基本的な食事」に分類できます。

一覧3.嗜好品的な食事(変動費)
・霜降り肉
・高級寿司
・贅沢な外食
一覧4.基本的な食事(固定費に近い)
・米やパンなどの主食
・野菜や果物
・家庭での一般的な食事

節約する場合、「嗜好品的な食事」を削ることができますが、「基本的な食事」は削ることができません。

しかし、先ほど表1で確認した食料品(キャベツ、うるち米、みかん、チョコレート、コーヒー豆)は、どれも「基本的な食事」に含まれるものです。

エンゲル係数の上昇と生活の変化

エンゲル係数の上昇は、食費の割合が全体の支出に対して高まっていることを意味します。
つまり、多くの家庭で変動費を削った結果、相対的に食費の比率が高くなっていると推測できます。

物価が安定し、国民の生活が豊かになるためには、「基本的な食事」の価格が抑えられることが重要だと考えられますね。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありませんので、ご了承ください。


参考文献:
総務省統計局

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