皆さま、おはようございます。CFP(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)のワイワイこと岩井です。
注目していたアメリカの2月の消費者物価指数(CPI)が発表されました。
前月比は0.2%のプラス、前年同月比は2.8%で、先月よりも0.2ポイント低下しました。今回の結果は事前予想を下回るものであり、物価上昇速度の鈍化を示していたため、利下げ再開への期待が高まったようです。
早速ですが、変動をグラフで確認してみましょう。
アメリカ消費者物価指数(CPI)前月比
※出典:米労働省
アメリカ消費者物価指数(CPI)前年比
※出典:米労働省
昨年11月から続いていた上昇から一転、少し落ち着いたように見えます。
詳細を確認するため、米国労働統計局が発表した消費者物価指数の概要を見てみると、「住宅が0.3%上昇し、月間全項目の増加のほぼ半分を占めた」との記載がありました。
消費の内訳を見てみると、住宅(Shelter)のウエイト(構成比)は35.417(全体が100)なので、全消費の約3分の1を住宅が占めています。前年比で見ても住宅は4.2%上昇していました。
消費者物価指数を効率よく鈍化させるには、ウエイトの大きい住宅価格の鈍化が必要不可欠ということになります。
次のグラフは、アメリカの住宅価格の推移を示したものです。
米国住宅価格指数(1991年=100)
※出典:連邦住宅金融庁 作成:フジトミ証券
アメリカの住宅価格は、2020年中盤から2022年前半にかけて急激に上昇し、2023年以降はやや緩やかになったものの、上昇し続けていることが確認できます。
一般に金利と不動産価格は逆相関だと言われています。金利が上昇すると、不動産の購入コストが上昇するため、購入上限額が下がります。逆に、金利が下がると借入負担が軽減され、購入上限額が上昇するため、高金利時には購入できなかった物件も範囲内に入り、購入意欲が高まり、価格は上がりやすくなります。
政策金利の引き下げは、不動産価格の上昇を招く可能性があります。加減が難しいですね。
次回のFOMCは日本時間3月20日午前3時です。動向にご注目ください。
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