
皆さま、おはようございます。CFP(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)のワイワイこと岩井です。
トランプ氏が第47代アメリカ大統領に就任しました。今後、どのような政策を展開していくのか注目が集まります。
早速ですが、トランプ大統領は、メキシコとカナダからの輸入品に対して最大25%の関税賦課を計画していることが報道されました。早ければ2月1日から実施される可能性があります。
念のためお伝えしておきますと、関税というのは、輸入品に課せられる税金のことです。例えば外国から1個100円のリンゴを輸入した際、25%の関税が課せられるのであれば、100円に25%を掛けた25円賦課されることになります。
この関税、輸出した人と輸入した人のどちらが納めるのかというと、輸入した人です。関税の25円は、価格転嫁され、最終的に消費者が負担することになります。
このモデルの負担者をまとめると次の通りです。
・輸出した人:関税は負担しない
・輸入した人:関税を納税するが、負担分は、価格転嫁する
・消費者 :実質的負担者
もちろん、国内でリンゴが取れるのであれば、関税の掛かっていない安いリンゴを消費者は購入する訳ですが、輸入依存度が高い品目なのであれば、関税の影響が直接消費者に影響してくる訳です。
メキシコとカナダの輸出状況
アメリカの貿易(輸入)相手国上位3か国は、次の通りです。
アメリカの輸入相手国(2023年)
1.メキシコ(15.2%)
2.中国(14.1%)
3.カナダ(13.6%)
※出典:データブック・オブ・ザ・ワールド 2025(二宮書店)
アメリカの輸入品目(2023年)
1.機械類(29.3%)
2.自動車(11.8%)
3.医薬品(6.0%)
4.原油(5.4%)
5.精密機械(3.1%)
※出典:データブック・オブ・ザ・ワールド 2025(二宮書店)
メキシコとカナダは輸入の全体の28.8%を占めており、アメリカの貿易にとって重要な相手です。
輸出する側からみるとどうでしょか。
カナダの輸出相手国(2023年)
1.アメリカ(77.6%)
2.中国(4.0%)
3.日本(2.1%)
※出典:データブック・オブ・ザ・ワールド 2025(二宮書店)
メキシコの輸出相手国(2023年)
1.アメリカ(79.6%)
2.カナダ(3.0%)
3.中国(1.5%)
※出典:データブック・オブ・ザ・ワールド 2025(二宮書店)
カナダもメキシコもアメリカ経済に大きく依存していることがわかります。
メキシコとカナダの輸出品目
カナダの輸出品(2023年)
1.原油(17.6%)
2.自動車(10.8%)
3.機械類(10.4%)
4.金(非貨幣用)(3.7%)
5.穀物(3.3%)
※出典:データブック・オブ・ザ・ワールド 2025(二宮書店)
メキシコの輸出品(2023年
1.機械類(32.5%)
2.自動車(25.7%)
3.原油(4.7%)
4.精密機械(4.0%)
5.野菜と果実(3.5%)
※出典:データブック・オブ・ザ・ワールド 2025(二宮書店)
カナダやメキシコの輸出品の中には、代替の利かない商品が多く含まれています。
関税賦課がもたらす影響
トランプ大統領が導入を計画している関税措置が現実化した場合、どのような影響があるでしょうか。
最初のモデルで確認したとおり、最終的に関税による価格上昇を負担するのは、消費者です。関税によってアメリカの消費者物価が上昇し、インフレリスクが高まってしまう可能性があります。
これまで低コストでカナダやメキシコから輸入していたものを、アメリカ国内で生産するとなると、割高になり、こちらも物価上昇につながってしまいます。
今後の注目ポイント
現時点では、関税の具体的な品目や適用範囲は発表されていません。しかし、実際に実施された際には、物価にも大きな影響を及ぼす可能性が高く、大きな関心事です。
引き続き、トランプ大統領の政策とその影響に注視していきたいと思います。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものではありません。ご了承ください。
関連記事




