皆さま、おはようございます。CFP(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)のワイワイこと岩井です。
先週末に発表された米国の雇用統計で、非農業部門雇用者数は事前予想の16.4万人を大きく上回る25.6万人の増加となりました。
この雇用の増加が予想を大きく上回ったことにより、FOMCによる利下げ期待が弱めさせ、主要な米国株式市場は大幅な下落を見せる展開となりました。
しかし、本当に今回の雇用統計がそれほどインパクトのある内容だったのでしょうか?
米・非農業部門雇用者数
出典:米労働省
グラフを見ると、今回(12月)の25.6万人の増加は目立つほど突出しているわけではないことがわかります。例えば、9月の25.5万人と比較すると1000人の差に過ぎません。また、2023年12月から2024年3月にかけては、同程度の増加が続いていました。
さらに、直近12ヵ月の平均である18.6万人増と比較すれば高めの水準ではありますが、これがトレンドの変化を示すほどの増加ではないと考えられます。
米・失業率
出典:米労働省
失業率は4.1%と、前月より0.1ポイント低下しました。しかし、直近6ヵ月の変動を見る限り、この水準で安定しているように見えます。
売られすぎの可能性?
これらのデータを踏まえると、今回の雇用統計が特別に強い内容だったとは言いえません。今回の発表後、米国株式市場は大きく売られる展開となりましたが、その反応が過剰であった可能性があります。
今月末(日本時間1月30日4時)に控えるFOMCの政策決定に、今回の雇用統計がどの程度影響を与えるのか、注目したいところです。
皆さんはどうお考えでしょうか?
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものではありません。ご了承ください。
・米・労働省