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前月比に注目したい9月のアメリカ消費者物価指数

2022.10.13

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。

今晩(日本時間10月13日21時30分)、9月のアメリカ消費者物価指数(CPI)が発表されます。
事前予想では、前年比が先月よりも0.2ポイント低い8.1%、前月比が前月よりも0.1ポイント高い0.2%とされています。先月は、ほんの僅かですが、結果が事前予想を上回っていため、NYダウは一晩で1,297ドル(3.94%安)も下落してしまいました。

消費者物価指数の数字はFOMCの政策金利決定に大きな影響を及ぼしているので、今晩の発表に注目が集まっています。

先月のコラム「物価変動は二等辺三角形!?(2022年9月13日)」、「アメリカの物価変動は二等辺三角形理論どおりの結果に(2022年9月14)」でも書きましたが、消費者物価指数の前年比の下降局面には、上昇に掛かった時間と同じだけの時間を要し、グラフが描写する線の角度は、二等辺三角形のような形をしていました。

グラフ1.アメリカの消費者物価指数(CPI)前年同月比

出典:米労働省

今起きている消費者物価指数の変動は、2022年6月に記録した9.0%がピークだと仮定した場合、上昇に掛かった時間は15ヶ月です。物価変動率が元の水準に戻るためには15ヶ月の時間が掛かるので、物価上昇率が元の水準に戻るのは2023年9月頃だろうと考えます。

どうしてそのようになるのか。

それは、前年同月比というのは、過去12ヶ月間の結果だからです。下のグラフは、アメリカの消費者物価指数を前月比で表したものです。

グラフ2. アメリカの消費者物価指数(CPI)前月比

出典:米労働省

例えば2022年7月の前月比はプラスマイナス0%でした。しかし、前年比は、8.5%のプラスでした(グラフ1参照)。前年比というのは前年同月と比べたものなので2021年7月の物価と2022年7月の物価を比較しています。2022年7月の物価というのは「2021年8月から2022年7月までの変動を蓄積したもの」ですよね。そのため、前年比の結果は、当月以前の11カ月間の影響を大きく受けています。

今晩発表される9月の消費者物価指数は、2021年9月と比べたものなので、2021年10月以降の変動が数字に反映しています。昨年の10月の前月比は0.9%の上昇と高めですが、今回のデータにその数字が含まれている訳です。

現在の物価変動がどうなっているかを確認するのでれば、前月比だけに注目した方がより正確な現状把握ができそうですね。

さて、今晩の結果が事前予想0.2%高程度だったすれば、「0.0%⇒0.1%⇒0.2%?」と低水準の結果が続きます。利上げの効果が出ていると思いませんか?
現在の市場は、ネガティブなマインドで事前予想より少しでも悪ければ過剰反応しやすい状況になっていますが、数字が冷静に評価される状況になれば、その分のリバウンドが発生しやすいと個人的には思っています。どうなるでしょうね。

注目のアメリカ消費者物価指数(CPI)の発表は、日本時間10月13日21時30分です。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。

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参考文献:
米労働省

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