皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
昨日発表されたアメリカ消費者物価指数(CPI)は事前予想を上回る数字になったため、アメリカ株式市場は、大きく値を下げる展開になってしまいました。
NYダウ 31,104ドル ▼3.94% -1,297ドル
NASDAQ 11,633ドル ▼5.16% -632ドル
NASDAQ100 12,033ドル ▼5.54% -706ドル
S&P500 3,932ドル ▼4.32% -177ドル
株価指数の代表格とも言えるNYダウでは構成する30銘柄すべてが下落しました。昨日の下落率3.94%、下落幅1,297ドルという下げは、5月18日に記録した下落率3.56%、下落幅1,161ドルを抜いて年初来の下げ幅を記録しています。
ちなみに1日に1,000ドル以上の下落になってしまったのは8月26日以来、今年4度目の出来事です。
さて問題は、今回発表されたアメリカ消費者物価指数(CPI)の結果が保有する株式を投げ売りしなければならないほど想定外の出来事だったのかどうかです。
昨日のコラム「物価変動は二等辺三角形!?」で書いたように、前年同月比の物価変動は、ピークの月を中心とした左右対称の動きをする傾向があります。急激に上昇した後は、急激に下降し、ゆるやかに上昇した後は、緩やかに下降する訳です。
昨日のコラムでは2022年6月が今回のピークになり、15ヶ月掛けて上昇してきた相場は、15ヶ月掛けて下降するだろうとの仮説を立てましたが、その理論で物価変動率を見るとどう見えるでしょう。
アメリカ 消費者物価指数(CPI)前年同月比
出典:米労働省
2022年6月を中心にみれば5月と7月が8.5%、4月と8月が8.2%になっており、6月を中心に対称になっていますので二等辺三角形理論に則って考えると今回発表された8.2%とういう物価変動は理論どおりの結果なのでびっくりすることはありません。
なお、今回発表された前月比は0.1%のプラスでした、事前予想では、0.1%のマイナスになっていたので失望感が強まりましたが、アメリカの物価が前月比でマイナスになるはとても稀なことで、めったに起きません。0.1%のプラスというのは通常の物価変動時に記録しやすい変動なので、通常時に戻ってきていると考えられ、物価は落ち着いてきていると分析できます。
今回発表された消費者物価指数(CPI)は、事前予想を上回る結果となり株価が大きく下落してしまいましたが、物価変動を冷静に分析すれば、過剰な反応だったと言えるでしょう。
今回の結果をFOMCはどう判断するのか。来週22日の政策金利発表注目です。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。
・米労働省