皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
昨日、日本の貿易統計が発表されました。
貿易の推移
※出典:財務省
12月の貿易収支は5,824億円の赤字でした。これで5か月連続しての赤字です。
輸出と輸入それぞれの数字は、輸出金額が7兆8814億円、輸入が8兆4638億円でした。
輸出、輸入とも統計開始以来最高の金額でした。
コロナの影響で貿易が落ち込んでいると思い込んでいましたが、貿易金額は過去最高額まで増加しています。
輸出増加をけん引したのが、自動車、鉄鋼、半導体等電子部品の3品です。前年比で自動車が17.5%、鉄鋼が75.1%、半導体等電子部品が25.9%も伸びています。
一方、輸入で増加したのがエネルギーでした。前年比で原油(粗油含む)が116.6%、液化天然ガスが100.5%増、石炭が178.4%も伸びています。エネルギーを輸入するためには昨年の2倍以上のコストが掛かっています。
エネルギー価格の高騰は輸入総額を歴代1番に押し上げる程、大きな影響を及ぼしました。
また、海外の物価上昇が日本の輸出金額にも影響していると考えることができます。
日本国内の物価はほとんど変動していませんが、アメリカ、EU、中国など主要な取引相手国の物価は上昇しているので、相対的に日本製品は安くなるはずです。
輸出価格が高騰した自動車、鉄鋼、半導体等電子部品は世界中で取引されているので海外で価格が上昇すれば国際取引価格も上昇します。
地域別にみるとどうでしょうか。
地域別貿易動向
※出典:財務省
輸出、輸入ともにアメリカよりも中国のボリュームが大きくなっています。これは中国経済への依存度の高さを表しています。中国と良好な関係を維持していくことは貿易面から見てとても重要な事だと言えます。
アメリカとアジア(中国を除く)は極端な輸出超過になっていますが、アジアには原材料、アメリカには製品の輸出金額が増加しました。
輸入ではその他の地域が大きなウエイトを占めています。これは、日本は中東からエネルギーを輸入しているため、その他のウエイトが大きくなっているのだと考えられます。
2021年12月、アメリカとEUから輸入されたある品目の金額が大幅に上昇しているのですが、なんだか分かりますか?ヒントは国民の約8割が利用したあれです。
答えは、「医薬品」です。
新型コロナウイルス用ワクチンを輸入したことも関係して、医薬品の輸入額はアメリカから110.1%、EUから39.2%上昇しました。
12月の貿易収支には、エネルギー高、中国経済の台頭、世界的インフレ、コロナウイルスのワクチンなど今話題のトピックスが数字で確認できる。そんな内容でした。
ご興味のある方は、財務省ホームページをご覧ください。
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・財務省