10月25日の週の商品相場見通しです。
インフレヘッジの買いが拡大し、NY金は週末に1815ドルまで急伸し、国内の金標準は一時6620円まで買い進まれました。
これまでは、アメリカの長期金利の上昇が金の圧迫要因となり、長期金利の上昇に反比例して金は売られる展開をみせていました。しかし、インフレ懸念の高まりから、長期金利の上昇に合わせて金が買われ始める展開になりつつあります。
そんな中、アメリカのパウエル米FRB議長がパネルディスカッションの中で、来年のインフレは緩和されると指摘したことで、長期金利は低下し、NY金も高値から急落した結果、金標準も高値から100円以上も値崩れするなど、波乱の展開をみせています。
今週も、インフレ懸念が、金の動向を大きく左右するとみられます。ただ、景気回復によるインフレ懸念は避けられないとみるべきで、下押しした金標準は格好の買い場とみて、買いで対処していきたいところです。円安にブレーキがかかっているため、6600円は厳しい水準とみられますが、買いの回転を効かせながら、買いを仕込んでいきたいです。
中東産原油は引き続き、押し目買いスタンスで臨みたいです。ただ、週末のWTI原油と北海ブレントとも、期近中心の急伸をみせ、中東産原油の3月限に相当する限月は、期近限月の上昇幅の半値しか上昇しておらず、将来的な供給タイトの改善を市場は警戒しているようです。従って、上値追いの買いは避けるべきで、買っても金同様、手じまいを早くするべきといえます。海外原油の期近以外の限月の値動きにも目配りが必要です。
ゴムは上海ゴムの連日の急落を嫌気して、週明けから売りが先行するとみられます。中国政府が市場の投機的な動きに対する規制を強化した結果の急落で、当面、ゴムは戻り売りが無難です。
トウモロコシは、相変わらず急騰地合いのままです。商社のつなぎ売りがみられないためで、期央限月の急騰が今後とも相場をリードするとみられ、割安な11月限は買われ易い環境にあります。期央限月が値崩れしない限り、買い有利の展開が続くとみられます。