皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
9月に入ってからの日経平均株価はバブル崩壊後の高値を更新するなど強気の展開が続いており、今後も強気の相場展開が続くのであれば、来年には史上最高値の更新があってもおかしくない、そんな雰囲気になってきました。
日経平均株価が史上最高値を付けたのは1989年12月29日で、その時の価格は38,915円でした。もう30年以上前の出来事です。
コトバンクによれば、国あるいは地域の経済がおよそ10年に渡って不況やその原因により経済的停滞期を迎えることを「失われた10年」と表現します。一般的にはバブル崩壊後の10年を指すことが多いのですが、最高値を付けてからすでに30年以上の月日が経過していますので、日本経済であれば「失われた30年」という表現の方が適しているのかもしれません。
これまでどんな値動きをしていたのか。チャートを見た方が理解しやすいので少し長めのチャートで値動きを振り返ってみたいと思います。
日経平均株価(1974年-2021年)
チャートは、1974年から現在までの値動きを表しています。バブルが崩壊する1989年まで株価はほぼ右肩上がりで上昇し、ピーク後は長い間、下降トレンドを形成しました。アベノミクス以降上昇相場に転じ、ここ10年は好調な値動きを続けています。
この間、為替相場はどのように変化したのでしょうか。同じく1974年からのドル円相場をチャートにしたものが次の図です。
ドル円(1974年-2021年)
1949年以降、ドル円の為替レートは、1ドル360円と決められていました。この360円というレートは1971年のスミソニアン協定により1ドル308円に変更されるまで続いています。
現在の変動為替相場制に移行したのは1973年の出来事です。
その後の為替レートは上記のような動きになりました。変動為替相場制になった当初、1ドル200円台での推移が10年程続き、その後は1985年のプラザ合意などを経て円高に推移しました。
なお、日経平均株価が最高値を付けた1989年12月末の為替レートは143.4円でした。
現在のレートと比べると約1.3倍の円安だった訳です。
ここまでは日本で生活する私たちから見た日本経済の歩みです。
では、同じ日経平均株価の値動きをアメリカ人から見たらどうなるのでしょうか。
ドル建ての日経平均株価はご覧の通りです。
ドル建て日経平均株価(1974年-2021年)
すでにドル建て日経平均株価は、2021年2月の時点で1989年に付けたバブル時の最高値を更新することに成功しており、9月に入ってからはドル建ての市場最高値を更新しています。
同じ日経平均株価のチャートでも円建てのものとドル建てのものでは随分と印象が変わりますよね。外国人投資家からみればすでに「失われた30年」を克服することに成功しています。
投資部門別株式売買状況
※出典:日本取引所グループ
JPXのホームページでは、投資部門別株式売買状況が毎週発表されていますが、現在東証一部の売買の67%が外国人投資家によるものです。市場参加者の67%が見ているチャートが円建てのものではなく、ドル建てのものであるとすれば、大多数の人がバブルの呪縛を克服したと判断することになり、今後、強気の展開が続いてもおかしくありません。
どうなっていくのか。今後の相場が楽しみですね。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。