皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
前回のコラムでは、ふるさと納税の利用率についてお伝えしました。
令和2年住民税(所得割)納税者から算出したふるさと納税の利用率はわずか「7%」であり、残りの「93%」は、利用していないことをお伝えしました。ふるさと納税を利用すれば、寄付した市町村から返礼品が貰えるので、合理的に考えればすべての納税者にメリットがある制度ですが、ほとんどの人が利用していないというのが現状です。
前回に引き続き、「便利なんだけどみんなが利用しているわけではない」制度についてお伝えしたいと思います。
と言うことで今回はNISA(非課税制度)です。
どんな制度かと言うと、株式や投資信託での運用から発生した利益や配当に税金が掛からなくなる制度です。
証券会社に特定口座を作り、株式の売却によって100万円の利益が発生したとすると、通常は約20万円が源泉徴収され、手元には、80万円弱しか残りません。
ところが、NISA口座で株式を購入し、売却によって100万円の利益が発生したとしてもその利益と配当には課税されないので、発生した利益100万円をそのまま得ることができます。
現在利用可能な、NISA口座の種類は全部で3種類あり、毎年購入できる金融商品の上限が決められています。
1. 通常のNISA・・・毎年120万円(最長5年間)
2. つみたてNISA・・・毎年40万円(最長20年間)
3. ジュニアNISA・・・毎年80万円(最長5年間)
1.通常のNISAと2.つみたてNISAは、日本に住む20歳以上の方であれば利用することができ、3.ジュニアNISAは、日本に住む0歳から19歳の方が利用することができます。つまり、日本に住む人すべての人がいずれかのNISA制度を利用することができることになります。
総務省統計局発表、令和3年8月1日現在の日本の総人口は、1億2530万人でした。言い換えれば1億2530万人の人がNISAを利用する権利を持っていることになります。
では、どのくらいの人がNISAを利用しているのでしょうか。
2021年3月末時点でのNISA口座数は次の通りでした。
1. 一般NISA・・・1224万口座
2. つみたてNISA・・・361万口座
3. ジュニアNISA・・50万口座
NISAを利用者数の総数は1586万人でした。国民全体に占める割合で言うと12.66%です。
NISAの利用状況
※金融庁、総務省データをもとにフジトミ証券が作成
グラフ化すると一目瞭然ですが、日本国民の87%はNISAを利用していません。
利用しない理由は、人それぞれで色々な意見があると思いますが、その大多数は、前回取り上げた「ふるさと納税」とそれほど変わらないのではないでしょうか。
・めんどくさい
・やり方が分からない
・制度そのものを知らない
・(よく解らないから)怖い
・運用する余裕がない
色々な考え方がありますが、NISAは長期の資産形成に有効活用できる制度であり、ほとんどの方は利用することでその恩恵を得られる制度だと思います。ふるさと納税同様、「初めてしまえば意外と簡単。どうってこと無い。」制度だと思います。
将来の資産形成やお子さん・お孫さんへの資産承継を考えている方は、NISAの活用を検討する価値がありそうですね。
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