皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
OPECとロシアなど主要産油国の間で行われていたOPECプラスは、調整がうまくいかず、5日に予定してた閣僚級会合が中止されてしまいました。
本来のスケジュールであれば、毎月1日から会合が開催される予定でしたが、今回UAEが合意しなかったこともあり、次回の会合予定も未定となってしまいました。
OEPCプラスの結果は、原油供給量に直接影響するので、その動向は、エネルギー価格に大きな影響を及ぼします。
直近1年間の原油相場の値動きはご覧のようになっていました。
WTI原油
(出所:TradingViewによる原油チャート)
11月までのWTI原油は40ドル前後での動きとなっていましたが、世界経済が再び活動を開始したことを受けてついに75ドルを上回る水準まで価格は上昇してしまいました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響から世界的にエネルギー需要が後退していたはずなのに、どうして価格が上昇するのかというと、需要に合わせて供給量を調整していたからです。
その調整を話し合っていたのがOPECプラスです。
OPECプラス協調減産枠
最初は970万バレル/日の協調減産からスタートし、徐々に減産枠を縮小。2021年7月時点での減産枠は576万バレル/日となっていました。576万バレル/日と言われてもピンとこないかもしれませんが、全生産量の14%がセーブされている計算です。
この減産に待ったをかけたのがUAEです。UAEは、サウジアラビア、イラクに次いでOPECナンバー3の産油国ですが、自国の原油生産能力向上を理由に生産枠の見直しを求めていました。もちろん協調減産自体には賛成していますが、自国の枠は見直して欲しいとの要望です。
OPEC総会は全会一致を原則としているので、一票でも反対票があると合意に至りません。結果、UAEの反対により合意できなかった訳です。
OPECプラスの足並みが崩れたことで、今後のOPECプラスの生産枠が担保されるのかどうか分からなくなってしまいました。
まず、UAEの生産量増加が想定されます。UAEは現行の生産枠316万バレルよりも68万バレル多い384万バレルの生産能力があり、この分が増産される可能性があります。
仮にUAEの生産量が増えた時、それ以外の国はどのような対応をとるのでしょうか。
今後この減産枠がどうなるのかも気になります。
現段階では、8月以降も現在の減産措置が続くようです。
来年の4月末で終了する予定だった減産措置はいつまで続くのか。
今後の原油価格にも大きな影響を及ぼしそうですね。
なお日本国内では、ドバイ原油先物を東京商品取引所(TOCOM)で取引することができます。
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FITS お役立ち情報-はじめての原油先物取引
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