フジトミ チーフアナリスト齋藤和彦より、2月8日の週の商品相場見通しをお送りします。
中東産原油の強い地合いは今週も続くとみられます。ここにきてNYヒーティングオイル上伸が原油上昇のけん引役になっていますが、アメリカの中西部から東部の寒波が大きく影響しています。特に来週半ばからしばらく、暖房油の主要な消費地である東部で厳しい冷え込みが予想されます。NY市では10日から15日まで最高気温が零度以下となり、最低気温がマイナス10℃以下になると予想されています。それに向かって、原油は一段と上昇すると想定され、中東産原油の3万8000円は通過点で、3万9000円も期待できる状況も想定されます。週明けから追撃買いも仕掛けてみたいです。
金は、弱気なアメリカの雇用統計を好感して週末にドル安が進行し、1810ドル台まで回復しています。しかし、金相場の大きなネックである長期金利も上昇しており、今後の下振れリスクを警戒すべきといえます。今年1月の大相場も結果的に、長期金利の上昇を警戒して急落した経緯もあります。その水準まで長期金利はまた上昇し始めており、今週は高値警戒の動きが予想されます。長期金利が上昇する間、ドル安で強引な上昇をみせれば、売り場提供になるでしょう。
白金は、NY株価の続伸とドル安を受け、大きく買い直されています。しかし、半導体の供給不足による自動車生産の縮小は長期化するとみられ、自動車用触媒の需要悪化を警戒して、3700円台は売り上がりたいです。
週末に240円台を示現したRSS3号のゴム相場ですが、11日からの中国の旧正月による休場期間の急落を想定して、売り上がりたいです。ここ数年、旧正月期間にゴム相場は急落しています。
トウモロコシは買いスタンスで、日本時間10日深夜2時の需給報告を待ちたいです。ただし、旧正月期間の中国の買い付けはないとみられ、知ったらしまいの下落も警戒したいです。そのため、需給報告前に買いを仕上げ、知ったらしまいの値崩れを想定して、臨機応変に対処したいです。