フジトミ チーフアナリスト齋藤和彦より、3月30日の週の商品相場見通しをお送りします。
東京原油は、新型コロナウイルスの影響で、世界の石油需給バランスが一層悪化するとみられ、売りスタンスは継続すべきです。4月からサウジなどが大幅に原油を増産し、一方、需要は一段と悪化するとみられるため、WTIはまた20ドル割れを強いられるとみられます。東京原油は急ピッチの円高も影響して、2万3000円を試すとみています。
注目は、東京原油市場でのファンドの取組が急増していることです。このため、朝方の突然の高値誘導の動き、もしくは引けにかけての値崩れなど、値が跳んだり、値崩れしたりする極端な動きが目立っています。割高な値位置を形成しているため、強引に買われれば、引けにかけての値崩れを意識して売りも狙いたいです。朝方の高値誘導も短期勝負の売り場になりそうです。
原油と対照的に東京金の取組が急減しており、商いも低調になっています。今週は、アメリカの重要な経済指標が相次いで発表され、いずれもかなり悪い数字が示されることが予想されます。イベントリスクを踏まえて、NY金は上昇するとみています。
NY市場で金ETFは5営業日連続で増加しており、4月からの上昇も期待しています。東京金は円高が警戒されますが、5500円以下は、じっくり買い下がってみたいです。
東京ゴムはどこまで行っても戻り売りです。国内の自動車工場の閉鎖が拡大していますが、トヨタは4月からタイの工場の閉鎖も実施する予定です。中国での工場再開から上海ゴムは上昇傾向をみせていますが、国内や産地の需給悪化とは関係なく、上海高に追随して上昇すれば、売り場提供になります。東京は目先、140円を試すでしょう。
東京トウモロコシも2万3000円割れも予想されます。米国でのエタノール需要悪化は避けられず、円高も影響して売りスタンス継続です。