お客様が原油の先物取引をおこなうために現金300万円の資金を預けていただいたものと仮定します。
今後、原油価格が上昇することを期待して52,000円で原油を10枚買ったとすると、その際に必要な資金は1枚だと120,000円ですので10枚分では120万円です。
預けていただいている300万円のうち、10枚分の120万円が建玉(たてぎょく)する上で必要な証拠金を「必要証拠金(ひつようしょうこきん)」と言います。
※先物取引で新規に発注した注文が約定したものを建玉(たてぎょく)又はポジションと言います。
その後、思惑がはずれ、値下がりしてしまったとするとどうなるでしょうか。例えば、2,000円値下がりし50,000円になってしまったとします。
2,000円値下がりすると「2,000円×50キロリットル×10枚=100万円」が値洗(ねあらい)損になります。
お預かりしている現金300万円のうち、120万円は建玉に必要な必要証拠金に利用され、100万円は値洗損です。現金300万円から必要証拠金120万円と値洗損100万円を引いた80万円が余剰額になります。
その後さらに状況が悪化し、さらに2,000円値下がりしてしまったとします。建玉された値段は52,000円で、その後48,000円まで値下がりしていますのでトータルで4,000円値下がりした計算になります。
4,000円値下がりしたときの損益計算は「4,000円×50キロリットル×10枚=200万円」が値洗損です。
お預かりしている現金は300万円で必要証拠金額が120万円、値洗損が200万円なので、差し引くと余剰額はマイナス20万円になってしまっています。
余剰金額がマイナスな状況でその日の取引終了を迎えると、不足金請求が発生します。不足金請求発生後ご入金いただけない場合は建玉が強制決済されてしまいますが、不足金請求がでるということは、思惑通りにいかなかったからだとも言えますので、そこで決済してしまうことも選択肢のひとつです。