通常、原油価格の変動はそれほど激しいものではありません。株式のように価格が2倍、3倍になるなんてことは滅多なことにはおきません。下の図は原油価格が1キロリットルあたり1000円変動した時のイメージ図です。
<現物取引をおこなったイメージ>
現物取引であればそれほど大きな価格変動ではないことが解ります。ところが、原油先物取引は証拠金取引ですので下の図の青枠で囲まれた部分だけあれば取引することができます。
現物取引で260万円規模の取引を120,000円の証拠金で取引できるということは、少しの価格変動が大きな利益や損失になってしまいます。
例えば、52,000円で買った原油価格が1,000円値上がりし53,000円になったとすると、値上がり幅1,000円に50キロリットルを掛けた50,000円が利益になります。
現物取引の場合、50キロリットルの原油を購入するには、52,000円を50倍した260万円必要ですが、先物取引は証拠金取引なので証拠金120,000円に対して50,000円の利益が生まれるのでとても資金効率がよい取引だと言えます。
ただし、取引には注意が必要です。思惑が外れてマイナスになった時のことです。
思惑が外れ、マイナスになった際は大きなマイナスになります。52,000円で購入した原油価格が51,000円に値下がりしてしまった場合、現物取引では260万円が255万円になってしまいますので5万円のマイナスですが、先物取引でも同様に5万円のマイナスになってしまいます。
上記の値動きの幅は、総取引金額に対してわずか2%程度ですが、証拠金取引である120,000円から見れば、証拠金に対して大きな変動になります。
原油先物取引の結果が思惑どおりにいった際は、大きな利益になりますが、思惑どおりに行かなかった際は大きな損失になってしまいますのでリスク管理には細心の注意が必要です。