東京商品取引所で取引されている取引は「先物取引」であり「現物取引」ではありません。現物取引とは現物のやり取りが伴う取引です。豊洲市場などの中央卸売市場では魚、野菜、肉などが売買されています。売買の対象はマグロやキャベツなどといった本物の魚や野菜です。現物のやり取りが伴う取引なので「現物取引」ともいいます。
東京証券取引所でおこなわれている株式の売買は、中央卸売市場同様、現物を伴う取引です。たとえば、ある会社の株式を100株購入するとその100株は購入したお客様ものになります。現在株式はすべて電子化されているので現物のやり取りをおこなっているイメージがしにくいですが、株式の持ち主(株主)は購入した人に代わります。現物を伴う取引だから「現物取引」と言うわけです。
では、「先物取引」とはどのような取引なのか。その字のごとく、将来(先)の値段を現時点で決めて物のやり取りは後でおこなう取引になります。例えば1年後、「あるもの」を1万円で購入する契約を結んだとします。
1年後、その「あるもの」の価格が1万5000円に上昇していたとしても、すでに1万円で購入する契約を結んでいますので、1万円払えば「あるもの」が購入できます。逆に「あるもの」の価値が5000円に値下がりしてしまった場合は、すでに1万円で購入する契約を結んでいますので1万円支払って購入しなければなりません。
東京商品取引所の原油取引は、「先物取引」なので、将来の原油価格を今決める取引ということです。