皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャル・プランナー)のワイワイこと岩井です。
本記事は、2018年10月19日に作成した内容をベースに、2025年5月8日時点の情報をもとに再構成したものです。
政策金利と10年国債利回りの現状(2025年5月7日)
2025年5月7日、FOMCは政策金利を「4.25〜4.50%」の範囲で据え置くことを決定しました。
各国の政策金利は以下のとおりです。
主要国の政策金利(2025年5月7日)
•日本:0.50%
•米国:4.25〜4.50%
•EU:2.40%
•英国:4.50%
•豪州:4.10%
•スイス:0.25%
•カナダ:2.75%
政策金利は国債利回りに影響を与えるため、10年国債利回りの状況も確認しておきます。
主要国の10年債利回り(2025年5月7日)
•日本:1.27%(+0.77)
•米国:4.28%(–0.22)
•ドイツ:2.47%(+0.07)
•英国:4.46%(–0.04)
•豪州:4.23%(+0.13)
•スイス:0.16%(–0.09)
•カナダ:3.10%(+0.35)
※カッコ内は政策金利(上限値)との差異(単位:%ポイント)
多くの国で10年債利回りと政策金利の差が比較的小さい一方、
日本では政策金利に対して10年債利回りが0.77ポイント高い水準
となっています。
■ 米国における金利構造の変化
以下は、直近10年間の米国の政策金利と10年国債利回りの推移を示したグラフです。
2022年後半から2024年後半にかけては、政策金利が10年債利回りを上回る状態が続いていました。
しかし、2024年12月19日を境に両者が逆転し、現在ではほぼ同水準で推移しています。
少し見方を変え、10年債利回りの値動きを主軸にすると、2022年後半以降は大きな変動が見られず、比較的安定した推移と言えるでしょう。
これらの推移を見る限り、政策金利の変動が10年債利回りに対する明確な先行指標となっているとは言いづらいですね。
長期的な視点での金利推移
次のグラフは、1962年から2025年までのアメリカ10年国債利回りの推移を示しています。
<10年債利回りの主な変遷>
•1960年代〜1980年代前半:インフレ抑制政策等により利回りが上昇
•1980年代〜2000年代前半:金融緩和により低下傾向
•2000年以降:おおむね低水準で推移
日本の金利と比較すると現在の米国10年債利回りは高く感じますが、歴史的にみるとまだまだ低水準だといえます。
おわりに
債券の動向は、株式、為替、コモディティなど多くの金融市場に影響してきます。
金利の動きは多面的な要因によって決まるため、短期・長期の両方の視点で継続的に観察していくことが重要です。
今回は、アメリカ10年国債利回りの推移についてご紹介しました。
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