皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。
昨日(10月3日)、トルコの消費者物価指数(CPI)が発表されました。
結果は、前年同期比24.52%の上昇と事前予想の21.10%を大きく上回る内容でした。
物価が安定している日本で生活していると去年よりも24.52%も上昇している状態が理解しにくいですが、例えば去年10,000円で購入できた商品を購入するためには12,542円支払わなくてはならないということなので、トルコ国民は大変なんだろうなと想像してしまいます。
品目別の物価変動はご覧のとおりです。
飲食物 | 27.70% |
お酒タバコ | 1.88% |
衣類 | 17.16% |
水道光熱費 | 21.84% |
家具等 | 37.28% |
保健 | 14.67% |
輸送費 | 36.61% |
コミュニケーション | 8.18% |
レクリエーションと文化 | 6.62% |
教育 | 10.67% |
ホテル・レストラン | 19.09% |
雑貨とサービス | 30.61% |
※出典:トルコ統計局
物価上昇が激しかったのが家具等の37.28%、輸送費の36.61%、雑貨とサービスの30.61%、飲食物の27.70%なのでした。
なかでも飲食物と輸送費は物価決定に対するウエイトが高く、全体の100に対して飲食物は23.03、輸送費は17.47もあります。大きなウエイトを占める2品目の上昇がトルコの消費者物価指数を引き上げる結果をもたらしました。
これまでの消費者物価指数(CPI)をグラフ化したものが次のものです。
トルコ消費者物価指数(CPI)前年同期比
※出典:トルコ統計局
物価の上昇は2018年6月頃からはじまり、2018年9月はこれまでよりも一段高い24.52%まで上昇しました。
トルコ国内の物価が上昇した背景には、トルコリラ為替レートの低下が考えられます。
ご存知のようにトルコリラは2017年時点では30円を挟んだレートでの取引が続いていましたが、今年に入ってからは下げ続け、8月13日、15.3円まで下落しました。
8月急激な値下がりがありましたが、この為替レートの悪化が物価上昇をもたらしていると考えられます。
先ほどみたように今年の8月13日トルコリラ円は15.3円まで下落しましたが、前年同日価格(2017年8月14日)は31.12円でした。わずか1年で価値が半分以下になってしまいました。
この影響は、生産者物価指数(PPI)にも大きな影響を与えています。
9月の数字は前年同期比で46.15%でした。
課目別にみるとご覧のようになります。
中間の商品 | 51.96% |
耐久消費財 | 31.37% |
耐久性がない消費財 | 27.63% |
エネルギー | 78.29% |
資本財 | 45.78% |
※出典:トルコ統計局
エネルギー価格は78.29%も上昇しています。
状況的には悪い材料ばかりですが、ここを絶えしのぐことが出来るでしょうか。
現在、トルコの政策金利は、24%ですが、消費者物価指数(PPI)の数字は24.52%でしたので物価上昇の方が政策金利よりも高い状況になっています。
次回、10月25日に予定されている金融政策決定会合では更なる利上げが実施されるかどうか。
トルコリラ円は今後も乱高下が続くものと予想されますので、ご注意ください。
今日は、トルコの物価についてお伝えしました。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。
参考文献:
・トルコ統計局 -Turkish Statistical Institute (TurkStat)
http://www.turkstat.gov.tr/Start.do