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イランへの制裁と原油価格

2018.10.02


皆さん、おはようございます。ファイナンシャルプランナーのワイワイです。

2週間前にもお伝えしましたが、原油価格が高騰しています。10月1日NY原油の終値は前日比で2.05ドル高い75.30ドルで取引を終えました。2014年11月以来、3年10カ月ぶりの高値をつけています。

2014年から現在までの値動きを示したチャートがご覧のものです。

NY原油-週足

※チャートはポジション・トレーダーPRO

2014年後半以降、原油価格が低迷していた原因は、シェールオイル生産による生産過多です。シェールオイルとは、地中のシェール(頁岩)層と呼ばれる地層に含まれる石油のこととです。これまでシェールオイルは技術的に取り出すことができませんでしたが、近年の技術革新により、取り出すことができるようになりました。アメリカやカナダなど北アメリカ大陸で多く生産されるようになったのが2014年後半以降です。

急激に生産されるようになったシェールオイルの影響で原油市場のマーケットシェアは大きく変化しました。

下の表は、資源エネルギー庁 エネルギー白書で発表した数値です。

1日あたりの原油の生産量の多い国

順位 国名 生産量(バレル/日量)
1 アメリカ 1,305.7万
2 サウジアラビア 1,195.1万
3 ロシア 1,125.7万
4 イラン 498.2万
5 カナダ 483.1万
6 イラク 452.0万
7 UAE 393.5万
8 中国 384.6万
9 クウェート 302.5万
10 ブラジル 273.4万

※出典:外務省

2017年世界で最も生産量が多い国はアメリカでその生産量は日量1305万バレルと2位のサウジアラビアよりも100万バレルも多い生産量を誇っています。アメリカにばかり目が行きがちですが、同じシェールオイル生産国であるカナダの生産量も世界5位と大きな規模に成長しました。

さて、現在原油価格が急激に上昇している背景に、イランへの経済制裁問題があります。

トランプ大統領は5月8日、常任理事国にドイツを加えた6ヵ国とイラクとの間で結ばれた核合意から離脱しました。

8月6日からは、貴金属貿易、米紙幣の入手、アルミ・鉄鋼の取引、自動車産業などが制裁の対象になり、11月4日からは、石油精製品、石油化学製品の取引、エネルギー産業に関する取引が制裁の対象になる予定です。

先ほど上の表で確認しましたが、イランは世界4番目の生産量を誇る国です。2017年時点で日量498.2万バレルもの原油を生産していました。

アメリカはイラン産原油を輸入する国や企業に対して、11月から制裁を発動する方針で、イランからの輸入を減らす企業が出てきているようです。

11月4日に向けて需給バランスが急激にひっ迫する可能性があります。

原油価格の動向は、株価や為替にも大きな影響を及ぼします。11月までは原油価格の変化に注意してください。

それにしても、イランへの経済制裁によって、これまでイランから原油を買っていた企業はそれ以外の国から購入しなければならなくなり、価格が高騰した暁には、世界で一番の産油量を誇るアメリカが一番得をする流れになります。

すべてはシナリオ通りなのでしょうか???

今日は75ドルを上回った原油価格についてお伝えしました。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、残念ながら内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/crude_much.html

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