こんにちは!フジトミ、チーフテクニカルアナリストの山口です。
経済番組などを見ていると、「ESG」や「ESG投資」などをいった言葉を耳にする機会があると思います。
ESGとは
ESG(環境・社会・ガバナンス)とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとったものです。
○環境(Environment)
Co2の削減やペーパーレス化、ごみ排出の削減、省エネなど、環境に配慮している企業かどうか
○社会(Social)
女性役員や女性管理職がどの程度採用され人々のダイバーシティ(多様性)にどれだけ対応しているのか
○企業統治(Governance)
社外取締役を何人設置しているかや、会社の情報がどの程度開示されているか
そして企業は、収益だけではなく、「E」・「S」・「G」それぞれに配慮した経営をしていなければ、長期的な成長は見込めないという考え方です。
ESG投資とは
ESGに配慮した経営を行なっている企業への投資を言います。
仮に収益率が高い企業であっても、環境汚染や自然破壊を助長するような経営、人々の多様性に対応できない会社、企業統治への取り組みが足りない会社に投資をしても、それ自体が社会的に有意義なことだとは判断されないでしょうし、目先、株価は上昇したとしてもそういった企業の商品がずっと売れ続けるかといえば、危ういですよね。
ちなみに、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)もESGを意識した年金の運用をおこなっています。
(年金積立金管理運用独立行政法人のESG投資のページ)
ESGを意識した経営をする企業
まず、ESGを意識した経営をしている企業は収益があがりやすいのかについて。
ESGを意識した経営をおこなうことで、コストがかかり収益は圧迫されますが、それらが顧客や投資家に伝わることで、長期的には評価され長期的な収益は向上すると考えられています。
逆にESG意識しない会社は、目先の企業収益は上がる可能性はありますが、社会的評価の低下などによって長期的な収益の減少をもたらすリスクがあります。
次に実際にESGを意識している企業について。
それぞれ3つの指標をどのような「ものさし」で計るかで変わります。ここではBloomberg社のESG開示スコアを使います。
次の10社は、東証に上場する全銘柄の中でESG開示スコア上位10社です。
証券コード | 会社 | ESGスコア |
9735 | セコム | 60.743801 |
4503 | アステラス製薬 | 58.2645 |
8252 | 丸井 | 58.2645 |
1605 | 国際石油開発帝石 | 56.016602 |
7201 | 日産自動車 | 55.371899 |
5332 | TOTO | 55.371899 |
6701 | NEC | 55.371899 |
6702 | 富士通 | 54.958698 |
6758 | ソニー | 54.958698 |
6752 | パナソニック | 54.545502 |
出所:Broomberg のデータを元にフジトミが作成(2018年5月時点)
ちなみに、この上位10社は全て日経225の構成銘柄です。
※日経225の相場動向についてはこちらもご覧ください。
株式投資をおこなう上では、PER(株価収益率)やPBR、株価チャートのトレンドなどを利用して判断される方も多いと思いますが、今後は、投資する企業がESGに積極的かどうかにも注目してみてください。