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【海外商品市況】週明けのNY金は続伸して史上最高値を更新したが、その後は上げ幅を縮小

  • 2024/05/21
  • 田澤

(NY貴金属)
20日のNY金は続伸。NY金の期近6月限は、前週末比21.1ドル高の2438.5ドル。NY白金の期近7月限は、同26.3ドル安の1063.7ドル。NY銀の期近7月限は、同116.7セント高の3242.6セント。
週明けのNY金は続伸して史上最高値を更新したが、その後は上げ幅を縮小した。NY金の6月限は、中国の金需要の拡大期待と中東情勢の先行き不透明感によって序盤から買いが先行すると2024年4月12日の高値2448.8ドルを上抜けして2454.2ドルまで史上最高値を更新した。先週末の中国の不動産セクターのテコ入れ策によって、同国の景気回復による金需要の拡大期待が、引き続き買い材料となった。また、イランのライシ大統領の死亡によって中東情勢の先行き懸念が広がり、リスク回避によって安全資産として金は買われた。ただ、史上最高値を更新してからは、為替のドル高・ユーロ安方向の動きによってNY金は上値水準を切り下げると、米国取引時間帯に利益確定の売りが膨らみ2411.1ドルまで下落した。しかし、NY金の下振れは一時的な動きとなり、為替のドル安・ユーロ高方向の動きが一服するとNY金は2441ドル台まで買い直された。その後のNY金は、2440ドル台までの戻りが一巡すると引けにかけて2430ドル前後まで上げ幅を縮小した。
一方、NY白金は急落した。NY白金の7月限は、序盤に為替のドル安・ユーロ高基調とNY金の上昇に反応して1105.0ドルまで高値を更新した。しかし、高値を更新してからは、為替のドル高・ユーロ安方向の動きとNY金の高値圏からの下振れによって、NY白金は1056.3ドルまで急落した。その後のNY白金は、下げ一服の展開から1070ドル台まで戻りを見せたが、引けにかけて1060ドル前後まで売り直された。

NY金6月限日足

※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。

NY白金7月限日足

※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。

(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
20日のWTI原油は4営業日ぶりに反落。WTI原油の期近6月限は前週末比0.26ドル安の79.80ドル、北海ブレント原油の期近7月限は同0.27ドル安の83.71ドル。RBOBガソリンの6月限は同3.43セント安の253.99セント、NYヒーティングオイルの期近6月限は同0.08セント高の248.71セント。
週明けのWTI原油は、売り買い交錯する中、反落した。WTI原油の6月限は、序盤に中東情勢の先行き不透明感によって80.30ドル台まで上昇した後、為替のドル高方向の動きによって79.21ドルまで崩れた。しかし、その後のWTI原油は再び上昇基調に転換すると80.60ドルまで上昇した。ただ、WTI原油の上昇は一時的な動きとなり、米国の景気減速懸念がWTI原油の圧迫要因になると79.17ドルまで売り込まれた。この日バーFRB(連邦準備制度理事会)副議長は講演で、インフレ動向について「利下げを支援するような確信増大をもたらさなかった」と述べ、時間をかけて景気抑制的な政策を機能させる必要性があるとした。また、ジェファーソンFRB副議長は別の講演で、FRB物価目標2%に低下する一段の確信を得られるまで「利下げが適切とは考えない」との見解を示した。この米FRB高官らの利下げに消極的な姿勢によって、米景気減速が懸念されるとエネルギー需要の後退が連想されWTI原油は売られた。引けにかけては、下げ一服の展開からWTI原油は79.70ドル前後の水準まで下げ幅を縮小した。

WTI原油期近6月限日足

※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。

(CBOTコーン)
20日のシカゴコーンは5営業日ぶりに反発。シカゴコーンの期近7月限は、前週末比8.00セント高の460.50セント。
週明けのシカゴコーンは、米国の需給のひっ迫懸念によって急反発した。シカゴコーンの7月限は、序盤から買いが先行する展開となった。米国のコーンベルトで、週末にかけて降雨が見られ作付け遅れが懸念されている。現地時間21日の引け後に発表される米国産トウモロコシの作付け進捗率は、アナリスト予想は68%と前週の49%から上昇するものの、5年平均を下回ると見られている。その後もシカゴコーンの上昇基調は続き、米国の週間輸出検証高の発表後にシカゴコーンは463.50セントまで上値水準を切り上げた。この日発表された米国産トウモロコシの週間輸出検証高は、121万0541トンと市場予想の90万~120万トンのレンジを上回った。この堅調な米輸出需要と米コーンベルトの作付け遅れによる供給不安から、需給のひっ迫懸念によってシカゴコーンは買われた。

シカゴコーン期近7月限日足

※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。

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