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【海外商品市況】週末のNY金は中東情勢の悪化を警戒した動きによって、一時2385ドル台まで大幅続伸
- 2024/05/11
(NY貴金属)
10日のNY金は、大幅続伸。NY金の期近6月限は、前日比34.7ドル高の2375.0ドル。NY白金の期近7月限は、同16.4ドル高の1007.2ドル。NY銀の期近7月限は、同14.1セント高の2850.6セント。
週末のNY金は、中東情勢の悪化を警戒した動きから大幅続伸した。NY金の6月限は、前日の上昇基調を維持した動きによって、序盤から買いが先行して2360ドル台まで取引水準を上げた。9日に発表された米国の新規失業保険申請件数が、労働市場の鈍化を示す内容となったことで、市場では米国の年内利下げ観測が再燃してNY金は買われる展開が続いていた。その後、中東情勢の悪化を警戒した動きによってNY金は上昇基調が強まると、欧州取引時間帯に2385.3ドルまで大幅続伸した。イスラエルとイスラム組織ハマスの休戦交渉は、合意に至ることなく終了した。休戦合意しなかったことで、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの地上侵攻が強まるとみられ、中東情勢の悪化が一段と警戒された。バイデン米大統領は先日、イスラエルがラファへの地上侵攻が実施されれば「武器を供与しない」と明言した。しかし、イスラエルのネタニヤフ首相は、他国の支援がなくてもラファへの地上侵攻の姿勢は崩していない。再びイスラエルとハマスの戦闘の激化懸念によって安全資産としてNY金は一段と買い進まれた。ただ、NY金の2380ドル台までの上昇は一時的となり、その後は米長期金利の上昇と為替のドル高・ユーロ安基調が圧迫要因となり、引けにかけて2370ドル前後まで上値水準を切り下げた。
NY白金も続伸して4月12日以来の1000ドル台まで上昇した。NY白金の7月限は、序盤からNY金の強調地合いと為替のドル安・ユーロ高方向の動きによって買い進まれると、米国取引時間帯に1008.5ドルまで続伸した。しかし、高値をつけてからは、為替がドル高・ユーロ安基調に進み、NY白金は995ドル台まで上げ下幅を縮小した。ただ、NY白金の下振れは一時的な動きとなり、その後は為替がドル安・ユーロ高方向に戻ると、NY白金は1008ドル台まで買い直された。
NY金6月限日足
※チャート画像は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドのWin-Station(R)によるものです。当該画像の著作権は、同社に帰属します。
NY白金7月限日足
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(WTI原油・NY石油製品・北海ブレント)
10日のWTI原油は、反落。WTI原油の期近6月限は前日比1.00ドル安の78.26ドル、北海ブレント原油の期近7月限は同1.09ドル安の82.79ドル。RBOBガソリンの6月限は同4.21セント安の249.97セント、NYヒーティングオイルの期近6月限は同4.32セント安の243.44セント。
週末のWTI原油は、売り買い交錯する動きの中、反落した。WTI原油の6月限は、序盤に中東情勢の悪化懸念による供給不安と米国の年内利下げ観測が支援材料となり79.96ドルまで上値水準を切り上げた。イスラエルとイスラム組織ハマスの休戦交渉が合意に至らなかったことで、中東情勢の悪化懸念からエネルギーの供給不安が警戒された。しかし、高値をつけてからは、米利下げ観測が幾分後退すると為替がドル高基調に進み、WTI原油は78.14ドルまで崩れた。この日発表された5月の米ミシガン大消費者調査で、景況感指数が67.4と前月の77.2から悪化して市場予想の76.0を下回った。また、1年先期待インフレ率は3.5%と4月の3.2%から上昇した。この景気鈍化と根強いインフレを示唆する結果を受けて、年内の米利下げ観測が幾分後退すると、為替はドル高方向に進んだ。
WTI原油期近6月限日足
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(CBOTコーン)
10日のシカゴコーンは、急反発。シカゴコーンの期近7月限は、前日比13.25セント高の469.75セント。
週末のシカゴコーンは、米国の需給報告の発表後に急伸した。シカゴコーンの7月限は、前日までの下落に対する自律反発の動きによって、序盤から買いが先行して460セント台まで上昇した。その後、米農務省の需給報告の発表後に、シカゴコーンは470.00セントまで急伸した。5月の需給報告では、2024~25年度の米トウモロコシの期末在庫が、21億0200万ブッシェルと前月の21億2200万ブッシェルより減少して市場予想の22億8400ブッシェルを大きく下回った。この強気な結果となった、米期末在庫がシカゴコーンの買い材料となった。
シカゴコーン期近7月限日足
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