フジトミ証券株式会社は投資サービスをはじめ、保険・環境関連サービスをご提供致します。

株式・FX・商品情報

マーケット情報

株式・FX・商品情報

イールドスプレッドで11月22日の米国株市場を先取り!

  • 2021/11/20
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、NYダウとS&P500指数は下落した一方で、ナスダック総合指数は続伸する展開になった。オーストリアが再び全土ロックダウン入りするなど欧州で新型コロナが再流行、米国でも一部地域で感染件数の増加が見られ世界経済の回復を遅らせるとの懸念が根強く、寄り付き後は下落した。連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長が12月連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング加速協議が適切となる可能性を示唆し早期利上げへの懸念も更なる重石となり、NYダウは終日軟調に推移した。『ボーイングは中型機787ドリームライナーの生産ペースを一段と落としている』との報道を受けて、同社株が5.7%下落した。1銘柄でダウ平均を81ドル程度押し下げた。 一方、長期金利の低下でハイテク株は好調で、ナスダック総合指数は連日で史上最高値を更新し終了した。一方、長期金利は、欧州景気の下振れ懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買い(利回りは低下)が入った。 今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利が上昇してきていることから、割高感が出始めてきている。

 

世界的に感染拡大が縮小してきており、世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、株価にとっては、ネガティブな材料となりやすい。一方、米国株のVIX指数は17.59から17.91へ上昇した。VIX指数は20を下回っていることもあり、過度なリスク回避の動きにはつながっていない。しかし、インフレ高進警戒感から米長期金利が上昇しやすいことや株高も並行していることもあり、徐々に米国株式市場全般に割高感が浮上してきている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.285%

・直近イールドスプレッド縮小:20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

                21/1/11-▲2.611%、21/10/21-▲2.758%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・11月18日:▲2.906%⇒11月19日:予想▲2.982%(前日比で拡大:割安)

 

11月19日のNYダウは3日続落したうえ、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.285%から▲0.303%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.244%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.120%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.559%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.035%下回った。NYダウは、欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大を受けてエネルギー、航空機、空運、景気敏感株が幅広く下落した一方、長期金利の低下も追い風にハイテク株が続伸した。NYダウは268.97ドル安(-0.75%)と3日続落した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.778%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・11月18日:▲2.764%⇒11月19日:予想▲2.810%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500が反落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.778%から+0.032%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.059%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.192%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.369%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.689%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.412%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.771%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、21/1/11-1.066%

              21/2/16-1.144%、21/10/21-1.342%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・11月18日:▲1.333%⇒11月19日予想▲1.362%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは続伸した一方で、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.771%から▲0.409%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.817%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.021%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.136%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.441%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.732%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利は低下した一方で、株価もは続伸したものの前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.3%台半ばまで縮小推移していることで割高感は強まっている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

一覧へ戻る

各種資料請求・WEBセミナー