★欧州市場序盤の取引では、対ユーロを中心に円安が進んだ流れに沿って108.96円まで値を上げたが昨日高値を超える勢いはなかった。欧州株高や米長期金利の上昇にドルが下支えされて小動きながらも108.90円前後でドルが底堅く推移した。欧州市場中盤の取引では、全般的にドルの上値が重い展開になった。なお、米長期金利は1.573％付近に上昇幅を縮小した。対欧州通貨を中心にドル安が進んだ影響から下押ししたが、108円台半ばでの押し目買い意欲が強いことも確認されているため、一段安という展開にならなかった。

米住宅着工件数の改善などを受け、米長期金利が上昇したことで、ドルはわずかながらも反発の流れとなった。4月米消費者態度指数（ミシガン大調べ）速報値が予想を下回ったため再び下押しの展開になった。その後は、上値が重い展開となったが、動意自体は薄かった。108.80円前後まで持ち直したが、ひとまず日米首脳会談を見極めたいとする声もあり、動意の鈍い展開が続いた。

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・2月貿易収支：+177億ユーロ（1月：+63億ユーロ）
・ユーロ圏・3月消費者物価指数改定値：前年比+1.3％（予想：+1.3％、速報値：+1.3％）
・ユーロ圏・3月消費者物価コア指数改定値：前年比+0.9％（予想：+0.9％、速報値：+0.9％）

・米・3月住宅着工件数：173.9万戸（予想：161.3万戸、2月：145.7万戸←142.1万戸）
・米・3月住宅建設許可件数：176.6万戸（予想：175.0戸、2月：172.0万戸←168.2万戸）
・米・4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値：86.5（予想：89.0、3月：84.9）
・米・4月ミシガン大学1年期待インフレ率速報値：3.7％（予想3.3％、3月：3.1％）
・米・4月ミシガン大学5-10年期待インフレ率速報値：2.7％（3月：2.8％）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は108.70-96円のレンジ

・米10年債利回りが一時1.5499％前後まで低下

・3月米住宅着工件数/建設許可件数は予想上回る

・4月米消費者態度指数速報値は予想を下回る

・ワクチンの普及で米経済正常化への期待が高まる

・VIX指数は16.57から16.25へわずかに低下