★欧州市場序盤の取引では、本邦実需勢をはじめ、114円台での戻り売り意欲が強まった。米長期金利が1.69％台に持ち直したことを受け、114.99円を挟み上下20銭程度のレンジ内で上下動が続いた。なお、NYダウ先物は18ドル高、日経先物は30円高に小幅続伸した。目先114円台で頭の重さを確認したことで戻り売り意欲が強まった。中国恒大集団は、9月23日分の利払いを履行したが、今後も利払いが履行できる保証はない、と表明したことでリスク回避の円買いが強まった。

米長期金利が再低下したほか、前週からドル高加速のポジション調整やスピード調整、週末前調整もあり、ドル安地合いが持続した。米長期金利が1.65％台まで低下するとドル売りが強まった。9月米製造業PMI速報値は予想を下回った一方、米サービス部門PMI速報値は予想を上回り、米総合PMI速報値も前回から改善したが、米長期金利が1.64％台まで低下するとドル売りが継続した。パウエル米FRB議長の『QE縮小し22年中旬で終了の軌道』との発言後に米長期金利が上昇したことを受け、113.86円付近まで反発した。しかし、パウエル米FRB議長が早期利上げ観測を打ち消すと米金利が低下し、ドル売り戻しが優勢になった。その後は、週末のNY午後ということもあり、新たな買い材料も見当たらないなかでポジション調整の売りが優勢になった。

★欧米主要経済指標

・英・10月製造業PMI速報値：57.7（予想：56.0、9月：57.1）
・英・10月サービス業PMI速報値：58.0（予想：54.5、9月：55.4）
・英・10月総合PMI速報値：56.8（予想：54.0、9月：54.9）

・米・10月製造業PMI速報値：59.2（予想：60.5、9月：60.7）
・米・10月サービス業PMI速報値：58.2（予想：55.2、9月：54.9）
・米・10月総合PMI速報値：57.3（9月：55.0）
・米・9月月次財政収支：‐615億ドル（予想-590億ドル、2020年9月-1246億ドル）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は113.34-114.07円のレンジ

・パウエル議長の発言で米長期金利の動向に一喜一憂

・米CFTCが発表した円の対ドル持高は▲10万2734枚

・米国株がマイナス圏に沈むとリスク回避の円買い

・NY午後になると新たな材料も見当たらずもみ合いに

・VIX指数は15.01から15.43へ上昇