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イールドスプレッドで12月3日の米国株市場を先取り!
- 2020/12/03
- アジアタイム
★NY株式市場では、NYダウとS&P500は小幅上昇したものの、NASDAQは反落する展開となった。11月ADP雇用統計が予想を下回ったほか、債券利回りが上昇し警戒感から寄り付き後大きく下げた。その後、共和党と民主党が超党派グループのまとめた追加経済対策の速やかな成立に向けて譲歩する姿勢を見せたため、一段と期待感が高まり上昇に転じた。新型コロナウイルスのワクチン実用化が世界経済の正常化を後押しするとの見方が強まり、景気敏感株中心に買いが入った。トランプ政権が2月までに1億人分のワクチン支給が可能との見解を示すと上げ幅を拡大した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は史上最高値を更新した。 一方米長期金利は、新型コロナワクチンの普及や米経済対策協議の進展期待を背景に、相対的に安全資産とされる米国債に売り(利回りは上昇)が出た。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が出ており、リスク回避の材料が出ると引き続き下落しやすい。
感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は20.77から21.17へ上昇した。VIX指数が21台前半まで低下していることから、一時的なリスク回避の動きは後退してきた。しかし、株価の日中ボラティリティが高まっていることで、引き続き不安定な動きが続く。また、S&P500が上昇したにも関わらず、VIX指数が上昇した翌営業日は弱含みの展開になりやすいので注意が必要となる。
NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.320%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、
20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・12月1日:▲2.956%⇒12月2日:予想▲2.942%(前日比で縮小:割高)
12月2日のNYダウが続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.320%から▲0.378%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.284%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.160%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.599%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.075%下回った。NYダウは、11月の大幅高で高値警戒感が強まる中、寄り前に発表された米11月ADP民間部門雇用者数が予想を下回る弱い結果となり雇用の悪化が懸念されたものの、英国がファイザーのコロナワクチンの使用を承認したことや、米追加経済対策への期待が相場を支えた。NYダウは一時224ドル安まで下落後に、59.87ドル高(+0.20%)と小幅に続伸して終了した。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.775%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/04/25-▲2.966%
20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、
19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%
20/3/23-▲6.222%
・12月1日:▲2.692%⇒12月2日予想▲2.679%(前日比で縮小:割高)
S&P500が続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.775%から▲0.096%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.190%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.323%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.500%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.820%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.543%下回った。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.804%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
20/10/12-▲1.450%、20/10/22-1.438%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、
19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%
・12月1日:▲1.413%⇒12月2日予想▲1.407%(前日比で縮小:割高)
NASDAQは反落した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.804%から▲0.397%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.772%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.976%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.091%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.396%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.687%下回った。
NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇した一方で、株価は小幅下落したものの縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.4%台前半まで低下して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。