28日の米株式市場は、英国のEU離脱問題を背景とした欧州株安の動きは一服し反発した。Ｓ＆Ｐ500種株価指数は前日比1.8％高の2036.09で取引を終了。NYダウは269.48ドル（1.6％）上昇し17409.72ドルで終え、ナスダック総合指数は2.1％上昇した。欧州株高やポンド反発を背景に、米国株は、高値圏でのもみ合いのなか、引けにかけては金融株中心にショートカバーが加速し、主要株価指数は上値トライの流れとなった。英国株市場では金融株が堅調推移となり、ﾊﾞｰｸﾚｲｽﾞが3.38%高、ﾛｲｽﾞ･ﾊﾞﾝｷﾝｸﾞ･ｸﾞﾙｰﾌﾟが7.43%高。STOXX銀行株指数は2.88%高の81.31で反発して終えた。一方で、RBSは0.29%安で軟調推移だった。欧州市場で話題となったのが、ｲﾀﾘｱの最大手銀ｳﾆｸﾚﾃﾞｨﾄが1.52%安で逆行安となったこと。WSJ紙電子版など各ﾒﾃﾞｨｱはｲﾀﾘｱ政府が不良債権処理のために公的資金の投入をｲﾀﾘｱの最大手銀ｳﾆｸﾚﾃﾞｨﾄに検討と報じた。第１・四半期の米国内総生産確報値と６月の米コンファレンス・ボード消費者信頼感指数がいずれも堅調な内容だったことも米市場では好感された。ＮＹＭＥＸのＷＴＩ先物８月限は前日比1.52ドル（3.28％）高い１バレル＝47.85ドルで取引を終了した。これまでの売りの反動買いや、ノルウェー石油・ガス業界の労働者ストを懸念した買いなども入り、３営業日ぶりに反発した。OSE225先物9月限ﾅｲﾄｾｯｼｮﾝは、15340円を下値に15550円まで上昇し、15450円で終えた。CME225先物(円建)は15570円まで上昇し、CME清算値はOSEの日中終値比で255円高の15555円となった。東京株式市場は、欧米株の上昇を好感し安堵感が広がる展開となりそうだ。ただ、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、英国がＥＵ離脱を決めたことを受け、同国の銀行システムの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたこともあり、外部要因には引き続き注意すべきである。本日、政府・日銀は、英ＥＵ離脱で午前にも会合を再開催する。市場に不透明感が広がる現状を踏まえ、投機的な動きをけん制する狙いもあると想定される。

【買い材料】

・政府 日銀、円売り介入視野
・米国株式市場－3日ぶり反発　投資家心理が大きく改善
・ＮＹダウは上昇（17409.72、+269.48）
・ナスダックは上昇（4691.87、+97.42）
・恐怖指数VIXは18.75、前日比低下
・米1-3月期GDP・確報値 +1.1％〔予想 +1.0％〕（前回発表値 +0.8％）
・米6月消費者信頼感指数 98.0〔予想 93.3〕（前回発表値 92.6）
・欧州株式市場－反発　英EU離脱によるリスク回避姿勢が緩む
・米債券市場－反落　英EU離脱混乱による動きに調整が入る
・欧州債－反落　英EU離脱背景としたリスク回避が緩む
・NY原油先物－反発　リスク回避後退とノルウェーストが支え（47.85、+1.52）
・NY為替－英EU離脱背景のリスク回避いったん収束
・CME225先物は大阪取引所比で上昇（15555、+255）
・10兆円を超える規模の補正予算を求める意見

【売り材料】

・EU離脱のドミノ警戒
・イスタンブールの空港でテロ爆発
・信用買い残、2週連続減少
・トヨタ、3年3ヶ月ぶり安値

【その他注目点】

・2017年の米FOMCは8回開催　FRB、議長会見は四半期ごと4回（3,6,9,12の各月）
・中国人民銀、金利規制を復活との報道を否定
・北朝鮮 最高人民会議きょう開催へ
・世界的歌手のステージをVR配信
・CRB指数－反発　天然ガス、原油が上昇　　アルミニウム、金が下落
・NY金先物－反落　リスク回避姿勢後退で安全資産の金は調整
・英スコットランド行政府首相　EU残留を目指し、29日に欧州議会の指導部と会談へ
・ソラストが東証1部に新規上場
・コメダが東証1部に新規上場
・株主総会集中日

08:50　　商業動態統計　　　　

18:00　　欧・ユーロ圏景況感指数(6月)　　
20:00　　米・MBA住宅ローン申請指数(先週)　　　　
21:00　　独・消費者物価指数速報値(6月)　　
21:30　　米・個人所得(5月)　　
21:30　　米・個人消費支出(5月)　　
21:30　　米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(5月)　　
22:30　　ブ・純債務対GDP比(5月)　　　　
23:00　　米・中古住宅販売成約指数(5月)　

《決算発表》

ハローズ、ウェザーニューズ、ナガイレーベン、タカキュー、北恵など

《米決算発表》

モンサントなど

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