★欧州市場序盤では、ドルは強弱まちまちの展開となり、109.90円台でもみ合い商状となった。米株安観測と米長期金利の伸び悩みで、ドル売り・円買いに傾きやすい地合いだったが、ECBの緩和縮小観測の後退で、ユーロ/ドルが売り優勢となっており、ドル・円の押し上げにつながった。対ユーロを中心にドル買いが活発化したことが支えとなったほか、米長期金利の上昇も買いを誘った。ユーロ/ドルが下落したタイミングで一時110.37円と日通し高値を付けたものの、上値は限定的だった。なお、8月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数がプラス18.9となり、市場予想のプラス18.0を上回り、前週分の米新規失業保険申請件数が23万2000件となり、市場予想の24万件程度より強い内容となったことで円売り・ドル買いが小幅に出たものの、反応は限られた。『コーン米国家経済会議（ＮＥＣ）委員長が辞任する』との噂が伝わったことで109.60円まで下げたものの、市場では『コーンＮＥＣ委員長辞任の噂が否定されたとの話が伝わった』との指摘もあり、一時110円台を回復する場面も見られた。NYダウが一時180ドル超下げたほか、日経平均先物が160円下落したため、投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となった。なお、米ホワイトハウスは『コーン氏はNEC委員長に留まる意向』と発表した。 スペインでのテロやトランプ政権の政策運営への懸念が台頭し、米国株式相場が引けにかけ下げ幅を拡大。米長期金利は2.24％から2.19％まで低下したことで、円買い・ドル売りが続いた。

NYダウは270ドル超の下げを受けてリスク回避の動きになりやすい。また、右肩下がりの円高進行からアジア市場でも円高傾向が残り戻り上値が重くなる。ただ、ユーロ売り・ドル買いが進みやすく、ドル/円の下値が支えられる可能性もある。本日は109円台を維持出来るかが焦点となる。