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トルコ中銀の利上げは予想以上 トルコリラ/円の今後は

  • 2018/09/14
  • 山口
  • アジアタイム

(本日の記事は山口が執筆します。)

 

★トルコ中銀は昨晩の金融政策会合で政策金利を17.75%から6.25%引き上げ24%にすることを決定しました。発表前には、エルドアン大統領が「金利を引き下げるべきだ」と発言していたこともあり、市場内では、トルコ中銀が政治的な圧力の影響を受ける可能性もあるといった見方も一部ありましたが、なんとか中央銀行の独立性を保つことができたというところです。

なお、市場予想(中央値)は政策金利を4.25%引き上げ22%の政策金利となっていたため、今回の24%への利上げはマーケットにとってサプライズとなったことでトルコリラが買われる展開となっています。

なお、ドルに対しては、一時1ドル6.0168ドルまで、また、対円では本日1トルコリラ18.6365円まで上昇しています。

 

★それでは、トルコリラの下落はこれで終わったのかでしょうか?

トルコ国内の情勢について目を向ければ、政策金利は引き上げられたものの、それ以外の状況、例えば今年14.3%の上昇が予想されるインフレや、マイナスとなっている経常収支や財政収支の改善、失業率の低下、更に、エルドアン大統領の政策なども絡めて、トルコ情勢に変化が見られ無ければ、今回の利上げは一時的な鎮静剤にしかならないという可能性も高いです。

★もともとトルコは第二次世界大戦後、ロシアからの侵略に恐れ西側諸国の仲間入りをしたかった国でした。

1949年にNATO(北大西洋条約機構=旧ソ連を中心とする共産圏に対抗するための西側陣営による多国間軍事同盟)が発足した際には、トルコはNATOに加盟できませんでしたが、1950年の朝鮮戦争でトルコは国連軍側で参戦(この朝鮮戦争ではトルコ軍が決死の活躍をしたことや、米軍や韓国軍に次いで、トルコ軍兵士の死者が多いことが知られています。)、朝鮮戦争での功績などもあり1951年にトルコはNATOに加盟できることとなります。

★エルドアン大統領はロシアや中国に接近

しかしながら2016年のトルコでのクーデターなどもあり、トルコと米国との関係が悪くなりつつあり、昨年、トルコはNATOに加盟しているにもかかわらず、ロシアからミサイルを購入。

どちらかというと、現在は中国やロシアとの関係性を高めている状況です。

 

★トルコリラ/円 月足チャート

トルコリラ/円月足

トルコリラ円の月足チャートは、それぞれの移動平均線が下向きで上から順番に長期、中期、短期移動平均線という位置関係になっています。また、価格は各移動平均線よりも下に位置しているため、下降トレンド継続という見方になります。

下段のストキャスティクスは過去一定期間の中で価格がどの程度の水準にあるのかを%で示したもので、相場の勢い(モメンタム)を計る指標になりますが、これも下側に向いており、下落の勢いが強いことを示しています。

★トルコリラ/円 週足チャート

トルコリラ/円週足

週足チャートも同様に下降トレンドと読み取れます。15.30まで下落し、やや値を戻しているように見えますが、これまでの下落スピードが早かったため時間調整するような値動き(=これをスピード調整や中段保ち合いなどといいます。)と考えられるため、戻り売りを考えたいところです。

ただし、価格がそれぞれの移動平均線を上回る場合は、買戻しとなります。

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