フジトミ証券株式会社は投資サービスをはじめ、保険・環境関連サービスをご提供致します。

株式・FX・商品情報

マーケット情報

株式・FX・商品情報

グローバル製造業PMIとエコノミックサプライズ指数から市場を見る!(10/10作成)

  • 2018/10/10
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • 欧州タイム

 

J.P.モルガン.グローバル製造業PMI(季節調整済)

PMI(購買担当者景気指数)とは、景気の方向性を示す経済指標で速報性の高さから金融市場で注目されている。企業の購買担当者に新規受注や生産、雇用の状況などを聞き取り、景況感についてアンケート調査した結果を指数化したものである。50を判断の分かれ目としてこの水準を上回る状態が続くと景気拡大、逆に50を下回る状態が続くと景気減速を示す。

 

グローバル製造業PMIは、先進国や新興国を含めた世界全体の景気度合いを計る指標として注目されている。

 

また、英国の金融情報・調査会社のIHSマークイットが独自にまとめたPMIがある。

 

『グローバル製造業PMI』は、昨年17123154.5がピークとなり景気拡大の勢いが鈍化し、指数は低下傾向にある。一旦4月には戻り基調となる場面もあったが、再び下落基調が継続している。そのため、世界的な景気の勢いはピーク時から再び鈍化傾向となっている。しかしながら、現在は景気成長の節目である50を上回っており、景気拡大は鈍化しながらも成長は継続している。もし、50を割れてくるようなら、世界的に景気減速期に入ったことになるので株式市場などに影響が出始めやすい。米FRBが利上げを継続していることや、米長期金利の上昇、米国発の米中間での関税による報復合戦となっており先行き不透明感が強まっている。トランプ政権は2000億ドル規模の第3弾の課税を9月24日から発動する予定となっている。加えて、2670億ドルとほぼ全輸入品に課税を課すことも辞さない方針が再確認された。また、10月15日前後には、米国財務省から為替政策報告書が提出され、中国を為替操作国に認定する可能性が高まっている。米中貿易戦争から米中通貨戦争へ拡大する可能性もある。米国の金利上昇は、ドル建て債務を抱えた新興国の景気の打撃となりやすい。さらに、世界的に異常気象が発生しており、経済基盤の弱い国では景気の下押し懸念が高まりやすく警戒が必要となる。

 

一方、『日米欧のマークイット製造業PMI』では、米国は昨年6月30日時点がボトムとなり、その後若干の調整をしながらも上昇基調を継続していた。一旦下落基調が続いていたが、再び製造業PMIは上昇傾向となっており、米国の景気の底堅さが窺える。FRBの利上げやドル高、そしてトランプ政権による米中の貿易通商協議の不透明感が、企業の購買部担当者の景況感を悪化させるものの、国内景気が順調なことから回復基調にある。欧州は昨年12月31日がピークとなり、下落基調が継続している。ユーロ高は是正されているものの、欧州景気は引き続き下降局面にある。そのため、ユーロが売られやすい地合いが継続しやすい。日本においては、台風や地震などの影響はあるものの、このところの円安が購買部担当者の景況感を維持させている。

 

 

エコノミック・サプライズ指数(びっくり指数)

シティグループが算出しているエコノミック・サプライズ指数(びっくり指数)は、各種経済指標と事前予想との食い違い(かい離幅)を指数化し、ゼロ(予想通り)を挟んで、上下(プラス・マイナス)で示した指数である。雇用や生産などの各種経済指標が事前の市場予想と比べてどうだったかを指数化したもので、実績が予想を上回れば指数は上昇、逆に下回れば下落する仕組みとなっている。

この指数は市場の期待値に対して上回るものが多いのか、それとも下回るものが多いのかを示す指数である。市場の期待値に対して上回る指標が多ければ当然に株価や通貨が高くなりやすい。一方で、市場の期待値を下回り続けると、市場参加者が景気の先行き懸念が生じることから、遅行して株価や通貨などが下落しやすい。

 

新興国のびっくり指数は3月15日+39.50がピークとなり、その後は米利上げの影響やドル高の影響もあり急速な下落基調となった。しかし、持ち直しの傾向となっていたが、ゼロライン近辺でもみ合う展開となっており、経済指標がほぼ市場予想通りとなっていることを示している。先進国10カ国のびっくり指数は昨年12月24日をピークとして下落基調が続いていたが、新興国同様に戻り基調となった。しかし、ゼロライン近辺で頭打ちとなり再びゼロラインを下抜ける下落基調となってきた。米国の利上げや原油価格が上昇してきていることもあり、米国以外の先進国の経済指標の持ち直しも鈍化気味となっている可能性が高い。また、米国と中国・先進国間で通商問題が激化してきていることや、一部の新興国通貨が大幅下落するなどリスク要因が増えてきている。12月の米FOMCでも引き続き利上げに動く可能性があり、ドル回帰が継続する可能性が高く新興国にとってはインフレ懸念が高まることで景気の重石となりやすい。

 

 

 

米欧日のびっくり指数では、米国のびっくり指数は貿易摩擦激化やFRBの利上げ継続、ドル高基調により経済指標は上値・下値を切り下げる展開が継続していた。しかし、10月に入ってからは再びプラス圏に浮上していることから、米経済指標が予想を上回る指標が増えてきていることを示している。びっくり指数は株価指数に対して先行することが多いので、米国株も底堅い展開となる可能性がある。また、10月からは年々早まるクリスマス商戦が始まってきており、年末にかけて小売売上などは上向きになりやすい。さらに、クリスマス商戦では値下げ競争となり、消費は上昇するものの、物価の上昇を抑制につながりやすい。ただ、クリスマス商戦が一服すると、トランプ政権が中国との間で関税賦課の応酬激化の様相となっており、先行き不安から企業マインドや消費マインドなども収縮させる要因となる。また、FRBが利上げを継続していることで、住宅関連指数の下振れが見られている。欧州のびっくり指数は、ユーロ安が継続しているものの、再び低下傾向が強まってきている。ユーロ/ドルは、びっくり指数の低下は遅行してユーロ安を招く可能性があるので、今後とも注視していく必要がある。一方、日本のびっくり指数は円安・ドル高が支援材料となっているものの、台風や地震などの影響が出始めており、急速に低下傾向となっている。一時的な景気悪化となるのか、それとも下落基調が継続するのかが焦点となる。日本の場合は、経済指標が市場予想を下回ると円売りにならず、リスク回避の円買いとなりやすいという特徴がある。

新規口座開設キャンペーン開催中

コンサルタント取引限定キャンペーン1

コンサルタント取引限定キャンペーン2

一覧へ戻る

各種資料請求・WEBセミナー