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イールドスプレッドで7月5日の米国株市場を先取り!

  • 2022/07/02
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、主要三指数は全て反発する展開になった。第3四半期、下半期入りで新たな投資資金流入を期待した買いに寄り付き後は上昇した。その後、6月ISM製造業景況指数が予想以上に悪化し2年ぶり低水準に落ち込んだため景気後退懸念が再燃し売りが加速、一時下落に転じた。しかし、同時に、連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げの思惑が後退、金利が低下すると安心感も広がり下げ止まった。連休を控えた買戻しに再び上昇し、引けにかけて上げ幅を拡大した。一方、長期金利は、6月米ISM製造業景気指数が予想を下回り、約2年ぶりの低水準を記録すると、景気の減速が一段と進んでいるとの見方から、相対的に安全資産とされる米国債に買い(利回りは低下)が入った。利回りは一時2.7873%前後と5月27日以来約1カ月ぶりの低水準を付けた。なお、この日は独立記念日の前営業日で短縮取引だった。 今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、米長期金利大幅低下した一方で、主要三指数は反発したものの、イールドスプレッドは主要三指数は全てで拡大した。全般割高感はやや後退したものの、上値追いよりも下押し調整的な動きに注意が必要である。イールドスプレッドでは、米長期金利の動向が重要なポイントになる。

 

世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐタカ派姿勢を強まっていることから、米長期金利が上昇することでイールドスプレッドが縮小しやすく株価は売られやすい地合いになっている。そして、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、世界的な株価にとって、ネガティブな材料となりやすい。また、ウクライナ情勢の緊迫化が続くなか地政学リスクから株価が売られやすい。米国株のVIX指数は28.71から26.70へ低下した。ただ、VIX指数は20台後半で推移していることで、米国株は不安定な動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.242%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.611%、22/4/19-▲1.713%

                22/6/6-▲2.009%、22/6/27-▲2.030%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・6月30日:▲2.357%⇒7月1日:予想▲2.421%(前日比で拡大:割安)

 

7月1日のNYダウは反発した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲3.242%から▲0.821%平均値より上方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.805%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.681%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲2.120%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.596%下回った。NYダウは、米6月ISM製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想以上に悪化したことで朝方は軟調に推移したが、3連休を控えて買い戻しの動きが強まったことや、下半期の株価上昇期待などで取引終盤にかけて買いが優勢となった。米10年債利回りが前日の2.97%台から2.88%台に低下したことや、景気減速により米連邦準備制度理事会(FRB)がいずれ利上げを中止するとの見方も株価の支援となった。NYダウは朝方に287ドル安まで下落後、終盤に363ドル高まで上昇し、321.83ドル高(+1.05%)と反発して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%

・直近イールドスプレッド縮小: 21/1/11-▲2.320%、22/4/19-▲1.989%

               22/6/6-▲2.329%、22/6/27-▲2.461%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・6月30日:▲2.834%⇒7月1日:予想▲2.892%(前日比で拡大:割安)

 

S&P500は反発した一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲2.774%から+0.118%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.977%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.110%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.287%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.607%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.330%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.742%

・直近イールドスプレッド縮小:21/1/11-▲1.066%、22/4/19-▲0.513%

              22/6/8-▲0.716%、22/6/27-▲0.738%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・6月30日:▲1.114%⇒7月1日予想▲1.196%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは反発し一方で、、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割安)した。平均値の▲1.742%から▲0.546%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.983%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.187%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.302%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.607%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.898%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅低下した一方で、株価は反発したもののの前日比で拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いが続いている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.1%台後半で推移していることで、割高感が継続している。2%台に拡大するまでは割安とは言えず、売られやすい地合いが継続する。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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