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イールドスプレッドで5月15日の米国株市場を先取り!割安感は薄らいでいる!

  • 2020/05/15
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、三指数は全て反発した一方で、米長期金利は低下したことでイールドスプレッドは前日比でNYダウとS&P500は縮小(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割高)したが、NASDAQ指数は前日比拡大した。米景気の先行き不透明感や米中関係への懸念が強まったことで売りが先行し一時450ドル超下げたものの、売り一巡後は一転上昇した。また、追加救済策や各州での経済活動再開への期待感から上昇に転じ、引けにかけて上昇幅を拡大した。米長期金利は、低下基調となっていることでイールドスプレッドはまちまちとなったが、三指数とも以前より割安感は薄れてきている。そのため、リスク回避の材料が出ると利益確定売りが出やすい。また、米企業の業績下方修正により、PERが上昇しやすく割安感がさらに薄まる可能性が高い。

 

今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになりやすい。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、景気後退は避けられないほか、どの程度速やかに救済資金が消費者や企業に供給されるかなどに不透明感もあるため、一方的な戻りにもなり難い。VIX指数は35.28から32.61へ上昇した。VIX指数が30台へ上昇していることで、リスク回避の動きが強まっている。未だにVIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。VIX指数が20を割ってくると市場に落ち着きが出たことになる。米中関係の悪化懸念も出始めていることは、株式市場の売り材料になりやすい。

 

NYダウは、反発したものの5日SMAの23,838ドルと10日SMAの23,809ドルを下抜けしたことで短期的に下落基調になっている。また、緩やかに上向きの25日SMAの23,803ドルもサポートにならず下抜けした。今までサポートラインとして意識されていたSMAを下抜けしたことで、一転してレジスタンスとして上値を抑えている。また、2月12日高値29,569ドルと3月23日安値18,214ドルの半値戻し23,891ドルを下回ったことも意識される。この3日間で1083ドル下落しており、押し目買いが入り反発する地合いとなった。ただし、もう一段の下落すると下値模索の展開となるため、今晩の市場動向は重要なポイントとなる。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.448%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・5月13日:▲3.742%⇒5月14日:予想▲3.708%(前日比で縮小)

 

5月14日のNYダウは4日ぶりに反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.448%から▲0.740%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.518%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.394%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲0.833%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.309%下回った。週次新規失業保険申請件数が予想を上回り、過去8週間で3600万件に達したことが嫌気された。米景気の先行き不透明感や米中関係への懸念が強まったことで売りが先行し一時450ドル超下げたものの、売り一巡後は一転上昇した。NYダウは前日までの3日間で1000ドル超下落しており、自律反発を狙った短期筋の買いが優勢となった。また、追加救済策や各州での経済活動再開への期待感から上昇に転じ、引けにかけて上昇幅を拡大した。さらに、原油先物価格の大幅上昇も投資家心理の改善につながり、一時380ドル超上げた。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.667%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・5月13日:▲3.468%⇒5月14日予想▲3.458%(前日比で縮小)

 

S&P500は反発した一方で、米長期金利は低下したがイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.667%から▲0.209%と平均値よりかい離していることで割高になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.411%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲0.544%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲0.721%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.041%下回った。20年3月23日の6.222%から▲2.764%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.301%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・5月13日:▲2.163%⇒5月14日予想▲2.175%(前日比で拡大)

 

NASDAQは反発した一方で、米長期金利は低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.301%から▲0.126%平均値よりかい離していることで割高になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.004%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.208%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.323%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲0.628%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲1.919%下回った。

 

NASDAQは過去の底値となったイールドスプレッドより縮小してきたことから、割安感は払しょくされてきている。NASDAQは3営業日ぶりに反発したものの、米長期金利の低下が大きかったことで拡大した。追加救済策や各州での経済活動再開への期待感から上昇に転じた。新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き急速な戻り基調となりやすい。ただ、三指数の中での割安感が払しょくされてきている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が全て下落したうえ、米長期金利も大きく低下したことで、イールドスプレッドは三指数ともに拡大した。新型コロナウイルスの感染第2波への不安感や米中対立への懸念が高まる中、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が新型コロナによる米景気の下振れリスクを強調したことが売りを誘った。市場では「著名投資家のデビッド・テッパー氏が『株は買われすぎ』と指摘したことも嫌気された」との声が聞かれた。新型コロナウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続いている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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