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イールドスプレッドで3月9日の米国株市場を先取り!

  • 2021/03/09
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、NYダウは続伸したものの、S&P500指数とナスダック総合指数は反落する展開となった。米国の新型コロナウイルス追加経済対策が成立する見通しとなったことで、投資家心理が上向き買いが広がった。米国では新型コロナのワクチン接種が進んでおり、経済が順調に正常化するとの期待も強い。特に景気循環株を押し上げ、NYダウは一時650ドル超上昇した。取引時間中の過去最高値を更新する場面があった。一方米長期金利は、米追加経済対策が成立する見通しとなったことを受けて、景気回復の加速を見込んだ債券売り(利回りは上昇)が広がった。10年債利回りは一時1.6116%前後まで上昇した。 今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が残っており、リスク回避の材料が出ると下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与で有効性が実証されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。ただ、米長期金利の上昇が止まらないことから、市場に警戒感が強まっている。米FRBが長期金利の上昇に懸念を示すまでは上昇基調が続く可能性があり、株価の下押し要因となりやすい。VIX指数は24.66から25.47へ上昇した。VIX指数がえ25半ばで推移していることで不安定な値動きが継続しやすい。20を割れるまでは不安定な動きが継続する。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.310%

・直近イールドスプレッド縮小:19/4/25-▲3.048%、20/09/1‐▲2.867%

                20/10/12-▲2.847%、21/1/11-▲2.611%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月5日:▲2.843%⇒3月8日:予想▲2.770%(前日比で縮小:割高)

 

3月8日のNYダウは大幅続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.310%から▲0.540%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.456%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.332%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.771%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.247%下回った。NYダウは、1.9兆ドルの追加経済対策の成立見通しやワクチン普及による経済活動の早期正常化期待を受けて景気敏感株が上昇した一方、長期金利の上昇を受けてアップル、エヌビディア、テスラ、ネットフリックス、アルファベットなどのハイテク・グロース株に利益確定売りが続いた。NYダウは一時651ドル高まで上昇し、2月24日以来9営業日ぶりに取引時間中の史上最高値を更新し、306.14ドル高(+0.97%)と2日続伸して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.773%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・3月5日:▲2.750%⇒3月8日:予想▲2.741%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500は反落した一方で、米長期金利が上昇したことからイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.773%から▲0.032%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.128%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.261%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.438%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.758%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.481%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.790%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/12/4-1.351%

              21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・3月5日:▲1.350%⇒3月8日予想▲1.392%(前日比で拡大:割安)

 

NASDAQは大幅反落した一方で、米長期金利は上昇したもののイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.791%から▲0.399%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.787%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.991%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.106%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.411%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.702%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇した一方で、株価は大幅反落したことで拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.3%台後半まで縮小して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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