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イールドスプレッドで3月24日の米国株市場を先取り!

  • 2020/03/24
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、三指数とも続落したうえ、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは前日比で三指数ともに拡大(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割安)した。三指数とともにイールドスプレッドが拡大したことで、売られ過ぎ割安感が強まった。各国中央銀行が利下げや量的緩和、さらに大規模な財政政策などの動きはあるが、今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになりやすい。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、原油価格も下げ止まると安心感が出てくる。昨日のNY市場では、大規模経済援策を巡る共和党と民主党の話し合いが難航していることが嫌気された。法案可決が遅れるのではないかとの不安感が売りを誘った。

 

NYダウは、真下を向いている5日SMAの19,798ドルがレジスタンスとして意識され、押し戻される展開となっている。再び5日SMAとロウソク足がかい離していることから下落の勢いが強いことを示している。また、10日SMAとロウソク足もかい離していることで不安定な値動きになりやすい。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、低位で%DとSlow%Dが底這いとなっているが下押しバイアスは強い。リスク回避の動きが強く、ネガティブな材料に反応しやすい地合いとなっている。一方、好材料が出てくると、割安感が強いだけに一気に上昇基調となり上下に大きく振れやすい地合いが継続している。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲5.483%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/16-5.808%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月20日:▲5.811%⇒3月23日:予想▲6.092%

 

3月23日のNYダウが大幅続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲5.483%から+0.609%上回った。19年1月3日の大底▲4.226%を+1.866%上回っている。19年8月5日の大底▲4.102%を+1.990%上回っている。20年2月28日の大底4.541%と+1.551%上回っている。20年3月16日の5.808%から+0.284%上回った。

 

NYダウが大幅続落したことで株式益利回りは上昇した。また、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和を無制限に実施する意向を表明するとともに、企業や行政機関支援する貸出計画を発表したことが好感され、『リミットダウン』となっていた先物は一時上昇した。しかし、寄り付きから大規模経済援策を巡る共和党と民主党の話し合いが難航していることを嫌気して、売りに再び転じた。民主党のシューマー上院院内総務による発言を受けて一時は支援策成立の期待感から下げ幅を縮小する局面もあったが、2回目の採決でも動議可決にいたらず失望感から軟調推移となった。VIX指数は66.04から61.59へ低下した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.944%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/16-▲6.043%

・3月20日:▲6.022%⇒3月23日予想▲6.301%

 

S&P500が大幅続落したうえ、米長期金利も低下したことからイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.944%から+1.357とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+2.432%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+2.299%上回った。19年8月15日の▲4.179%を+2.122%上回った。20年2月28日の大底4.499%まで+1.802%上回った。20年3月16日の6.043%から+0.258%上回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲3.172%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・3月20日:▲3.906%⇒3月23日予想▲3.990%

 

NASDAQが続落したうえ、米長期金利も低下したことからイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.172%から+0.818%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+1.811%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+1.607%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+1.492%上回った。20年2月28日の大底2.803%まで+1.187%上回った。20年3月16日の▲4.094%から▲0.104%かい離した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。NASDAQ市場では、反落したことで過去のイールドスプレッドを大幅に上回るなど割安感が強まっている。そのため、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、急速な戻り基調となりやすい。イールドスプレッドが再び拡大し▲3.9%台後半で推移しており割安感は強い。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が大幅続落したうえ、米長期金利も低下したことで三指数ともに前日比で大幅拡大した。新型コロナウイルスによる景気後退懸念が根強いことから、先行き経済指標に株価や米長期債金利が上下に振れる展開が予想される。また、大規模経済援策を巡る共和党と民主党の話し合いが難航していることを嫌気した売りも強まった。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は振れやすい状況が続いている。イールドスプレッドは大幅拡大したことで、売られ過ぎによる割安感が強まっている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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