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イールドスプレッドで2月27日の米国株市場を先取り!

  • 2020/02/27
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、三指数が上下まちまちの展開となった一方で、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で三指数ともに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。新型コロナウイルスの感染地域の拡大と感染者数が増加し、感染拡大による世界経済への影響が懸念されリスク回避の動きが継続している。また、米国経済の減速感も出始めていることも、米国株の利益確定売りにつながっている。主要三指数ともにイールドスプレッドが拡大してきており、過去の大底を上回る展開となってきたことで、割安感が出てきている。

 

NYダウが続落したことで、200日SMAの27,235ドルを下抜けする展開となったものの、260日SMAの26,962ドルがサポートラインとして意識され下げ止まる展開となっている。5日SMAが75日SMAとデッドクロスしており、明確に下落基調となっている。下落が急速だったことで5日SMAと価格がかい離している。そのため、5日SMAが追い付いてくるまで上値の重い展開が予想される。さらに、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、買われ過ぎ域から%DがSlow%Dを下抜け両線とも真下を向いていることで、明確な下落基調を示している。米長期金利が低下傾向にあることでイールドスプレッドが拡大しており、割安感が出ている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.591%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月25日:▲4.027%⇒2月26日:予想▲4.070%

 

2月26日のNYダウが続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.591%から▲0.521%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.156%と縮小した。19年6月3日の大底4.038%を+0.032%と上回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.032%と縮小した。

 

NYダウが下落したことで株式益利回りは上昇した。また、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。足もとで相場下落が続いたあとだけに自律反発狙いの買いが先行し一時460ドル超上げたものの、米食品医薬品局(FDA)高官がパンデミック(世界的流行)を警告し、午後にかけて上げ幅を縮小したものの、トランプ大統領が午後6時に記者会見を行うこともあり、小動きとなった。個別ではボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)が退任すると発表したウォルト・ディズニーが3.7%下げ、下落率トップとなった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.930%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・2月25日:▲3.993%⇒2月26日予想▲4.033%

 

S&P500が下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.930%から+0.103とかい離が逆転していることで割安になってきた。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+0.164%上回った。19年6月3日の大底となった3.881%を+0.152%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+0.031%上回った。19年8月15日の▲4.179%とは▲0.146%より縮小した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.468%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・2月25日:▲2.497%⇒2月26日予想▲2.511%

 

NASDAQが上昇した一方で、米長期金利が株価を上回る低下をしたことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.468%から+0.043%とかい離が逆転していることで割安になってきた。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.332%上回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して+0.183%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.128%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.013%上回った。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。NASDAQ市場の企業業績下方修正があり、13日のPERが大幅に上昇した。しかし、NASDQ市場の下落調整や米長期金利の大幅低下から、イールドスプレッドが一気に▲2.5%台前半まで拡大する展開となっている。そのため、割安感が出ている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が上下まちまちの展開となったが、米長期金利が大幅低下したことで三指数ともに前日比で拡大した。中国の新型肺炎の感染数が中国以外の韓国、イタリア、イランなどでも広がっていることが嫌気された。また、米国で新たに15件目の感染者が確認されたとの発表を受け、米国での感染拡大が警戒され米国株に売りが強まった。引き続き感染拡大により世界の経済への影響が懸念されている。米国株式市場では、株価の下落と米長期金利の急低下で割安感が出てきた。そのため、押し目買いも入りやすくなる。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は振れやすい状況となっている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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