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イールドスプレッドで2月22日の米国株市場を先取り!

  • 2021/02/20
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、NYダウとナスダック指数はわずかに上昇した一方で、S&P500 指数はわずかに4日続落する展開になった。イエレン財務長官がバイデン政権が提唱する経済対策の必要性を改めて訴えたため、追加経済対策が早期に成立し景気回復を後押しするとの期待から、寄り付き後上昇した。また、これまで2回の接種が必要とされていたファイザーなどが開発したワクチンについて、1回でも効果があるとの研究結果を受け、新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から押し目買い意欲は旺盛で一時150ドル超上昇し、取引時間中の最高値を更新した。ただ、米長期金利の大幅上昇が市場心理を冷やし、相場の上値を抑えた。米金利の先高観測を背景に割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)銘柄が売られ、指数はマイナスに転じる場面があった。一方米長期金利は、米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及で、インフレや雇用回復が進むとの見方が強まり債券売り(利回りは上昇)につながった。10年債利回りは一時1.3601%前後と昨年226日以来約1年ぶりの高水準を付けた。市場では『今年後半には米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和の修正を探るとの思惑が浮上している』との指摘があった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が残っており、リスク回避の材料が出ると下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与で有効性が実証されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は22.49から22.05へ低下した。再びVIX指数がえ22前半で推移していることで不安定な値動きが継続しやすい。20を割れるまでは不安定な動きが継続する。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.312%

・直近イールドスプレッド縮小:19/4/25-▲3.048%、20/09/1‐▲2.867%

                20/10/12-▲2.847%、21/1/11-▲2.611%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月18日:▲2.967%⇒2月19日:予想▲2.926%(前日比でわずかに縮小:割高)

 

2月19日のNYダウはわずかに反転した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.312%から▲0.386%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.300%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.176%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.615%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.091%下回った。NYダウは、前日引け後にイエレン米財務長官長が1.9兆ドルの経済対策の必要性を強調したことで朝方は景気敏感株を中心に堅調に推移したが、長期金利が上昇し将来のインフレ高進が懸念されたことや、主力ハイテク株の一角が利益確定売りに押されたことで午後に失速した。NYダウは一時ドル高まで上昇し、2日ぶりに取引時間中の史上最高値を更新したが、0.98ドル高(+0.00%)とほぼ横ばいで終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.773%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・2月18日:▲2.805%⇒2月19日予想▲2.772%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500は小幅4日続落した一方で、米長期金利は上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.773%から▲0.001%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.097%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.230%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.407%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.727%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.450%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.792%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/12/4-1.351%

              21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・2月18日:▲1.212%⇒2月19日予想▲1.170%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは小幅反発した一方で、米長期金利は上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.792%から▲0.622%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲1.009%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.213%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.328%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.633%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.924%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇したうえ、株価も小反発したことで縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.1%台後半まで縮小して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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