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イールドスプレッドで2月19日の米国株市場を先取り!

  • 2021/02/19
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、三指数全てで下落する展開になった。週次新規失業保険申請者数が予想を上回り、労働市場の回復の鈍さが嫌気され、寄り付き後、下落した。また、米長期金利の先高観測を背景に割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)銘柄が売られ、一時320ドル超下げた。2020年11月-21年1月期決算で最終赤字に転落し、今期業績見通しも振るわなかった小売り最大手のウォルマートが6%超の大幅安となったことも指数の押し下げ要因となった。ただ、米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から押し目買い意欲は旺盛で、引けにかけては下げ幅を縮めている。一方米長期金利は、米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から債券売り(利回りは上昇)が先行したものの、米国株の下落を受けて次第に買い戻し(利回りは低下)が入った。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が残っており、リスク回避の材料が出ると下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与で有効性が実証されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は21.50から22.49へ上昇した。再びVIX指数がえ22半ばまで上昇したことで不安定な値動きが継続しやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.312%

・直近イールドスプレッド縮小:19/4/25-▲3.048%、20/09/1‐▲2.867%

                20/10/12-▲2.847%、21/1/11-▲2.611%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月17日:▲2.980%⇒2月18日:予想▲2.971%(前日比でわずかに縮小:割高)

 

2月18日のNYダウは反落した一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.312%から▲0.341%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.255%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.131%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.570%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.046%下回った。NYダウは、新規失業保険申請件数が予想以上に増加したことや、弱い見通しを発表したウォルマートが大幅安となったことが嫌気されたほか、アップルなどの主力ハイテク株にも利益確定売りが続いた。連日で最高値を更新したNYダウは119.68ドル安(-0.38%)と4日ぶりに反落した。一時327ドル安まで下げ幅を広げた。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.773%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・2月17日:▲2.803%⇒2月18日予想▲2.796%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500は小幅3日続落した一方で、米長期金利は上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.773%から+0.023%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.073%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.206%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.383%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.703%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.426%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.793%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/12/4-1.351%

              21/1/11-1.066%、21/2/16-1.144%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・2月17日:▲1.201%⇒2月18日予想▲1.194%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは3日続落した一方で、米長期金利は上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.793%から▲0.599%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.983%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.189%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.304%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.609%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.900%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇した一方で、株価は続落したものの縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.1%台後半まで縮小して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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