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イールドスプレッドで12月7日の米国株市場を先取り!

  • 2020/12/05
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、三指数ともに上昇するする展開となった。11月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想の半分の伸びにとどまる低調な結果となったものの、追加経済対策の速やかな成立への議会の取り組みに拍車をかけると期待が高まったほか、新型コロナワクチンの普及期待から、投資家のリスク選好意欲が高まり買いが優勢となった。追加財政・金融措置への期待が根強く終日堅調推移した。一方米長期金利は、11月米雇用統計で失業率と平均時給が予想より強い内容となったことを受けて、債券売り(利回りは上昇)が優勢となった。米国株市場で主要3指数が史上最高値を更新したことも相場の重石となった。利回りは一時0.9842%前後と3月20日以来の高水準を付けた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が出ており、リスク回避の材料が出ると下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は21.28から20.79へ低下した。VIX指数が20台後半まで低下していることから、一時的なリスク回避の動きは後退してきた。しかし、株価の日中ボラティリティが高まっていることで、引き続き不安定な動きが続く。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.320%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・12月3日:▲2.982%⇒12月4日:予想▲2.890%(前日比で大幅縮小:割高)

 

12月4日のNYダウが続伸したうえ、米長期金利も大幅上昇たことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.320%から▲0.430%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.336%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.212%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.651%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.127%下回った。米11月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大きく下回ったものの、失業率が低下したことや、追加経済対策成立期待の高まりが支援となった。NYダウは248.74ドル高(+0.83%)の30218.26ドルと4日続伸した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.775%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/04/25-▲2.966%

               20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・12月3日:▲2.713%⇒12月4日予想▲2.621%(前日比で大幅縮小:割高)

 

S&P500が小幅反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.775%から▲0.154%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.248%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.381%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.558%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.878%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.601%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.804%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

              20/10/12-▲1.450%、20/10/22-1.438%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・12月3日:▲1.426%⇒12月4日予想▲1.350%(前日比で大幅縮小:割高)

 

NASDAQは続伸したうえ、米長期金利が大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.804%から▲0.454%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.829%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.033%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.148%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.453%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.744%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が大幅上昇したうえ、株価は続伸したことで大幅縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.3%台半ばまで低下して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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