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イールドスプレッドで12月3日の米国株市場を先取り!

  • 2021/12/03
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、主要三指数は全て反発する展開になった。直近2日間で1000ドル超下落していただけに、短期的な戻りを期待した買いに寄り付き後は上昇した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったことも買いを促し、一時730ドル超上昇した。ボーイングは7.5%超上昇し、1銘柄でダウ平均を100ドル程度押し上げた。「中国当局は主力小型機『737MAX』の運航再開に向けて必要な修正事項を航空会社に指示した」との報道が好感された。また、製薬会社のファイザー(PFE)が同社の新型コロナウイルスワクチンが新たなオミクロン変異株に対しても効果があると楽観的な見通しを示したことも買い材料となった。さらに、バイデン大統領が3日に政府機関閉鎖に陥ることは予想していないと発言すると、一段高となった。一方、長期金利は、米連邦準備理事会(FRB)要人によるタカ派的な発言が相次いだことを受けて売り(利回りは上昇)が先行した。米国株の大幅反発も相場の重石となった。 今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、株価の大幅反発と米長期金利が上昇したことで割高感解消傾向が後退する動きになった。

 

世界的にオミクロン変異株の感染拡大懸念されてきたほか、世界的な経済成長による景気回復に連れたインフレ懸念が高まってきている。特に、米国金利上昇は世界的な金利上昇を招くことになり、株価にとっては、ネガティブな材料となりやすい。一方、米国株のVIX指数は31.12から27.95へ低下したものの、VIX指数が20台後半に上昇していることで、リスク回避の動きは残っている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.284%

・直近イールドスプレッド縮小:20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

                21/1/11-▲2.611%、21/10/21-▲2.758%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・12月1日:▲3.202%⇒12月2日:予想▲3.082%(前日比で縮小:割高)

 

12月2日のNYダウは大幅反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲3.284%から▲0.202%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.144%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.020%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.459%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.935%下回った。NYダウは、米国内で2例目のオミクロン株感染者が報告されたものの、空運、クルーズなどの旅行・レジャー株や原油高を好感したエネルギー株が上昇し相場を押し上げた。NYダウは617.75ドル高(+1.82%)と3日ぶりに大幅反発した。iPhone需要減少が報じられたアップルが0.61%安となったものの、中国が737Maxの運航再開を認めたことを好感したボーイングが7.54%上昇し、1銘柄でNYダウを93ドル余り押し上げたほか、アメリカン・エキスプレス、ビザ、セールスフォース、ディズニーなども3-4%上昇した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.778%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・12月1日:▲3.148%⇒12月2日:予想▲3.045%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が大幅上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は前日比で割高)した。平均値の▲2.778%から+0.267%と平均値より下方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.824%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲0.957%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.134%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.454%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.177%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.770%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、21/1/11-1.066%

              21/2/16-1.144%、21/11/23-1.299%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・12月1日:▲1.657%⇒12月2日予想▲1.593%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは大幅上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.770%から▲0.177%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.586%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.790%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.905%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.210%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.501%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇したうえ、株価も上昇したことで前日比で縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQ総合指数のイールドスプレッドは、▲1.5%台後半で推移している。ただ、2%台に拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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