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イールドスプレッドで11月12日の米国株市場を先取り!

  • 2020/11/12
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、NYダウは反落したものの、S&P500とNASDAQは反発する展開となった。前日に約9カ月ぶりの高値を付けるなど、足もとで相場上昇が続いたあとだけに短期的な過熱感を警戒した売りに押された。新型コロナウイルスが再拡大する中、NY州が飲食店の営業規制を再び強化すると伝わったことも相場の重石となり、一時130ドル超下落する場面があった。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は週初から下げが目立っていたハイテク株に見直し買いが入り、相場を下支えした。一方米長期金利は、米国債券市場がベテランズデーで休場だったことで、金利は横ばいとなった。このところ、米長期金利は上下に振れる展開から、日々のイールドスプレッドへの影響が強まっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が出ており、リスク回避の材料が出ると大幅下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第2波』『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は24.80から23.45へ低下した。VIX指数が23台半ばで推移していることから、徐々に低下傾向にあるがリスク回避の動きは継続している。株価の日中ボラティリティが高まっていることで、引き続き不安定な動きが続く。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.322%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・11月10日:▲2.945%⇒11月11日:予想▲2.948%(前日比でわずかに拡大:割安)

 

11月11日のNYダウが小幅反落したうえ、米国債市場が休場だったことから米長期金利も横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で小幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.322%から▲0.374%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.278%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.154%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.593%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.069%下回った。コロナワクチン期待を背景に大きく上昇した景気循環株に利益確定売りが強まった一方、足もとで大きく下落したハイテク・グロース株が買い戻された。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.775%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/04/25-▲2.966%

               20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・11月10日:▲2.715%⇒11月11日予想▲2.687%(前日比で縮小:割高)

 

S&P500が小幅反発したうえ、米長期金利は横ばいだったことからイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.774%から▲0.087%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.182%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.315%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.492%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.812%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.535%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.805%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

              20/10/12-▲1.450%、20/10/22-1.438%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・11月10日:▲1.504%⇒11月11日予想▲1.455%(前日比で縮小:割高)

 

NASDAQは反発したうえ、米長期金利は横ばいだったことからイールドスプレッドは前日比で縮小した。平均値の▲1.805%から▲0.350%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.724%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.928%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.043%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.348%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.639%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利は債券市場が休場で横ばいだった一方で、株価が反発したこことで縮小した。イールドスプレッドより半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.4%台半ばに低下して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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