株式・FX・商品情報
イールドスプレッドで1月6日の米国株市場を先取り!
- 2021/01/06
- アジアタイム
★NY株式市場では、三指数全て反発する展開となった。ジョージア州上院選決選投票を警戒し寄り付き後下落した。しかし、12月米ISM製造業景気指数が予想を上回ったことを受けて、前日に下げが目立った景気敏感株を中心に押し目買いが入った。運航再開した主力小型機『737MAX』の出荷が進んでいると伝わったボーイングが4%超上げたほか、原油先物価格の急反発を背景にシェブロンが2%超上昇した。一方米長期金利は、12月米ISM製造業景気指数が予想を上回ったことを受けて、相対的に安全資産とされる米国債に売り(利回りは上昇)が出た。米国株の上昇も相場の重石となった。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が出ており、リスク回避の材料が出ると下落しやすい。
感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与で有効性が実証されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は26.79から25.34へ低下した。VIX指数が25台前半で推移しているほか、株価の日中ボラティリティも高まっていることで、引き続き不安定な動きが続く。
NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.317%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、
20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・1月4日:▲2.873%⇒1月5日:予想▲2.813%(前日比で縮小:割高)
1月4日のNYダウは反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.317%から▲0.504%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.413%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.289%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.728%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.204%下回った。上院の議席が決まる5日のジョージア州決選投票への警戒感から軟調にスタートしたものの、サウジアラビアの減産を受けて原油相場が上昇し、エネルギー株が軒並み高となったことや、米12月ISM製造業PMIが2018年8年以来の強い結果となったことなどでセンチメントが好転した。新年入りの前日に382ドル安となったNYダウは167.71ドル高(+0.55%)と反発した。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、20/08/27-▲2.677%
20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、
19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%
20/3/23-▲6.222%
・1月4日:▲2.631%⇒1月5日予想▲2.567%(前日比で縮小:割高)
S&P500が反発したうえ、米長期金利もしたことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.774%から▲0.207%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.302%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.435%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.612%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.932%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.655%下回った。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.800%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/10/22-▲1.438%
20/12/4-1.351%、20/12/8-1.383%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、
19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%
・1月4日:▲1.349%⇒1月5日予想▲1.289%(前日比で縮小:割高)
NASDAQは上昇したうえ、米長期金利も上昇はしたことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.800%から▲0.511%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.890%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.094%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.209%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.514%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.805%下回った。
NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が上昇したうえ、株価も反発したことで縮小した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.3%台割れまで低下して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。