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イールドスプレッドで1月5日の米国株市場を先取り!
- 2021/01/05
- アジアタイム
★NY株式市場では、三指数全て下落する展開となった。寄り付き直後に史上最高値を更新したものの、そのあとは新型コロナの感染拡大が投資家心理を冷やし売りが優勢となった。5日のジョージア州の上院決選投票を前に、持ち高調整や利益確定の売りも出やすかった。下げ幅は一時720ドルを超え、節目の3万ドルを割り込む場面があった。一方米長期金利は、5日のジョージア州の上院決選投票を前に、大きな方向感は出なかった。市場では『米雇用統計発表を8日に控えていることも相場に影響を及ぼしている』との声が聞かれた。今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が出ており、リスク回避の材料が出ると下落しやすい。
感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与で有効性が実証されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は22.75から26.97へ大幅上昇した。VIX指数が26台後半ばで推移しているほか、株価の日中ボラティリティも高まっていることで、引き続き不安定な動きが続く。
NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.317%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
20/09/1‐▲2.867%、20/10/12-▲2.847%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、
20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・12月31日:▲2.826%⇒1月4日:予想▲2.873%(前日比で拡大:割安)
1月4日のNYダウは下落した一方で、米長期金利は前日比ほぼ変わらずだったことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.317%から▲0.444%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.353%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.229%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.668%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.144%下回った。年明けワクチン普及や各国の製造業PMIの改善で世界経済回復期待から寄り付き後上昇し、ダウは日中取引で史上最高値を更新した。その後、新型コロナウイルス変異種感染拡大抑制のため英国が第3回目の全土ロックダウン入りを発表、さらに、ジョージア州の上院決選投票を控えた警戒感に利益確定売りが加速し大きく下落に転じた。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.774%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、20/08/27-▲2.677%
20/10/12-▲2.664%、20/12/08-▲2.666%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、
19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%
20/3/23-▲6.222%
・12月31日:▲2.581%⇒1月4日予想▲2.634%(前日比で拡大:割安)
S&P500が下落した一方で、米長期金利は前日比ほぼ横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.774%から▲0.140%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.235%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.368%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.545%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.865%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.588%下回った。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.800%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/10/22-▲1.438%
20/12/4-1.351%、20/12/8-1.383%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、
19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%
・12月31日:▲1.322%⇒1月4日予想▲1.356%(前日比で拡大:割安)
NASDAQは下落した一方で、米長期金利はほぼ横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.800%から▲0.444%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.823%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.027%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.142%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.447%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.738%下回った。
NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利はほぼ横ばいだった一方で、株価は下落したことで拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.3%半ばまで低下して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。