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イールドスプレッドで1月28日の米国株市場を先取り!

  • 2021/01/28
  • 米蔵(ヨネゾウ)
  • アジアタイム

 

★NY株式市場では、三指数全てで大幅下落する展開になった。決算内容が嫌気された米航空機ボーイングなどの銘柄が大幅に下げ、相場の重石となった。一部銘柄に対する個人投資家の著しく投機的な動きも警戒を誘い、一時730ドル超下げる場面があった。米株の変動性指数(VIX、恐怖指数)が37.21と米大統領選の投開票日直前だった昨年11月4日以来の高水準まで急伸したことで、『リスク回避の売りが加速した』との声も聞かれた。ヘッジファンドが空売りを積み上げたGameStopやAMCなどの銘柄に個人が集団で買いを入れ、踏み上げを誘う展開がこの日も継続した。『一部ヘッジファンドは損失穴埋めを迫られ、買い持ちしている主力株を売却した。それが相場下落につながっている』との見方もあった。一方米長期金利は、欧米の株式相場が軟調に推移したことを受けて、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。利回りは一時0.9992%前後まで低下する場面があった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策維持を決定すると同時に、景気回復ペースの鈍化を指摘し、金融緩和策の維持を改めて確約したことも相場を下支えした。 今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数ともかなり割高感が残っており、リスク回避の材料が出ると下落しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬の投与で有効性が実証されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第3波』が懸念されている。しかし、追加経済対策期待や経済活動再開で先行きの景気回復の期待感が株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は23.02から37.21と大幅上昇した。VIX指数が37台前半で推移しているほか、株価の日中ボラティリティも高まっていることで、引き続き不安定な動きが続く。VIX指数が20を割れてくるようなら市場が安定化してきたことになる。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.313%

・直近イールドスプレッド縮小:19/4/25-▲3.048%、20/09/1‐▲2.867%

                20/10/12-▲2.847%、21/1/11-▲2.611%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・1月26日:▲2.849%⇒1月27日:予想▲2.956%(前日比で大幅拡大:割安)

 

1月27日のNYダウは大幅下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.313%から▲0.357%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲1.270%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲1.146%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.585%下回った。20年3月23日の6.017%から▲3.061%下回った。NYダウは、ヘッジファンドの空売りが多い銘柄に個人投資家の投機的な買いが集中し、AMCエンターテイメントが一日で301.21%高(4倍)、ゲームストップが134.84%高(2.3倍)など『ボロ株』が急騰を続けた一方、損失が拡大したヘッジファンドの換金売り懸念から幅広い銘柄が売りに押された。投資家の不安心理を示すVIX指数が前日比+14.19ポイントの37.21ポイントに急上昇したことも、リスクオフの動きを強めた。NYダウは終盤に730ドル安まで下落し、633.87ドル安(-2.05%)と大幅に5日続落して終了した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.772%

・直近イールドスプレッド縮小: 20/08/27-▲2.677%、20/10/12-▲2.664%

               20/12/08-▲2.666%、21/1/11-▲2.320%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・1月26日:▲2.619%⇒1月27日予想▲2.740%(前日比で大幅拡大:割安)

 

S&P500は大幅続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.772%から▲0.032%と平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲1.129%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.262%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.439%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.759%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.482%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.796%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、20/12/4-1.351%

              20/12/4-1.351%、21/1/11-1.066%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・1月26日:▲1.118%⇒1月27日予想▲1.200%(前日比で大幅拡大:割安)

 

NASDAQは大幅続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.796%から▲0.596%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.979%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲1.183%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲1.298%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.603%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.894%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、米長期金利が低下したうえ、株価は大幅続落したことで拡大した。イールドスプレッドは以前より半分以下まで縮小しているため、引き続き割高感から利益確定売りが出やすい地合いとなっている。NASDAQのイールドスプレッドは、▲1.20%まで縮小して推移している。そのため、割高感が続いていることから、ネガティブなニュースが出ると引き続き下落しやすい地合いが続いている。また、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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