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コロナ禍におけるインデックス投資

2021年04月07日

コロナ禍におけるインデックス投資

皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。しばらくの間、コラムの更新をお休みしていましたが、本日より配信を再開しました。できるだけ皆さまのお役に立つ情報を配信してまいりますので、お付き合いいただけましたら幸いです。

さて、新型コロナウイルスの世界的感染拡大が始まって1年が経過し2年目の春がやってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

感染拡大を予防するためには、ソーシャルディスタンスが必要であり、会食やカラオケなど気ままにできないそんな世の中になってしまいましたね。

日常品の買い物は、Amazonなどのネットショッピングで済ませ、外食が減った分をカバーするようにUbereatsや出前館などのデリバリーサービスの利用を始めた方なんかも多かったのではないでしょうか。私たちの生活様式の変化は、企業の収益構造にも変化をもたらしています。

なんの違和感もなく新しいサービスを利用していますが、ほとんどのサービスが日本独自のサービスではなく、世界中に展開されているサービスだということにお気づきでしょうか。

コロナによる生活様式の変化は新たなニーズの増大と一部の産業の斜陽を加速させました。特にグローバル企業の世界的展開は、コロナウイルスの拡大と伴に拡大した1年だったとも言えそうです。

今回は、コロナウイルスの感染拡大以降、株価がどのように変化したのかについて見ていきたいと思います。

下のグラフは、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年初日の終値を100とした主要インデックス指数のグラフです。海外インデックス投資先として人気が高い、NASDAQ100、S&P500、株価指数の代表格であるNYDOW、私たち日本人に身近な指数であるNIKKEI225の変動を比較してみようと思います。

主要インデックスの変動


Yahoo.comデータを元にフジトミが作成

四指数とも同じようなタイミングで同じような値動きをしており、2020年1月を起点としたグラフでは、いずれも100を上回っています。結果的にどれを買っていたとしてもプラスだったことがわかります。
意外だったのが、最近ブームになっている海外インデックス投資のパフォーマンスに交じって日経225の成績が好成績だったということです。日経225は3月末日時点で125.7と、NASDAQ100の147.2に次ぐ成績でした。S&P500の121.7よりも良い結果をもたらしていたことになります。

さて、今回比較した四指数中で最も好調なのがNASDAQ100でした。コロナの影響で2020年3月に大きく値下がりしましたがその後は好調に推移し147.2まで上昇しました。

NASDAQ100はNASDAQに上場する約3,000社の中から時価総額上位100銘柄(金融銘柄を除く)によって構成される株価指数です。NADAQには、多くのハイテク企業が上場しており、そのトップは、私たちがよく知る企業が多く含まれています。

NASDAQ100構成銘柄市場規模トップ7
1.アップル Apple Inc. Common Stock
2.マイクロソフト Microsoft Corporation Common Stock
3.アマゾン Amazon.com, Inc. Common Stock
4.グーグルC Alphabet Inc. Class C Capital Stock
5.グーグルA Alphabet Inc. Class A Common Stock
6.フェイスブック Facebook, Inc. Class A Common Stock
7.テスラ Tesla, Inc. Common Stock

NASDAQホームページ(https://www.nasdaq.com/market-activity/quotes/nasdaq-ndx-index)より

Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftの頭文字をとって「GAFAM」と呼ばれる巨大IT企業の5社はNASDAQ100の構成銘柄です。

NASDAQ100はその名の通り100銘柄で構成されていますが、GAFAMにテスラを足した上位7社だけで約10兆ドル(1100兆円)の時価総額になります。ちなみに日本の国家予算は、106兆円なので「GAFAM+テスラ」の時価総額はその10倍以上と物凄い規模です。NASDAQ100を構成する全社の合計時価総額は17兆4963億ドルなので、「GAFAM+テスラ」が全体の約59%を占めています。

コロナの影響で日本では緊急事態宣言が発せられ、世界中の大都市がロックダウンされたことは、新しい生活様式を生み出し、ハード、ソフトともにデジタル需要の増加を加速させたと考えられます。

NASDAQ100についで上昇したのがS&P500です。

S&P500は、NYSE(ニューヨーク証券取引所)やNASDAQ(ナスダック証券取引所)などアメリカの取引所に上場する米国企業で、流動性がある500の大型株で構成されています。アメリカに本社があることが構成の条件にもなっています。
S&P500だけで米国株式市場時価総額の約80%をカバーしています。

ウエイトの大きい10社は次の通りです。

S&P500、ウエイト上位10銘柄
1.アップル
2.マイクロソフト
3.アマゾン
4.フェイスブック
5.グーグルA
6.グーグルC
7.テスラ
8.バークシャー・ハサウェイ
9.JPモルガン
10.Johnson&Johnson

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(https://japanese.spindices.com/indices/equity/sp-500)より

NASDAQ100と構成企業名が似ており、GAFAMやテスラもS&P500の中に組み込まれています。決定的に違うのがS&P500には、バークシャー・ハサウェイやJPモルガンと言った金融銘柄が構成に組み込まれていることです。ハイテク企業が大きなウエイトを占めているNASDAQ100に対し、S&P500にはエネルギー産業や鉱業・不動産などの産業も組み込まれており、構成銘柄数もNASDAQ100の5倍の500銘柄にもなります。全体バランスが取れた指標になっています。

NYダウは、NYダウ工業株30種のことでアメリカを代表する株価指数です。ニューヨーク証券取引所、NASDAQに上場する銘柄の中から、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが選んだアメリカを代表する30種類で構成されています。指数誕生当初は、工業株中心の構成でしたが、産業構造の変化にあわせて構成は変化し、現在は、情報通信産業や医療などのサービス業の構成銘柄の一部となっています。

ウエイトの大きい10社は次の通りです。

NYダウ、ウエイト上位10銘柄
1.ユナイテッドヘルス
2.ゴールドマンサックス
3.ホームデポ
4.セールスフォース
5.マイクロソフト
6.アムジェン
7.キャタピラー
8.ボーイング
9.ビザ
10.マクドナルド

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(https://japanese.spindices.com/indices/equity/dow-jones-industrial-average)より

構成銘柄数は30銘柄と今回ご紹介した指数の中では、最も少なくなっています。GAFAMうちマイクロソフトとアップルの2社がNYダウにも組み込まれています。ただし、アップルは、2020年8月に1:4の株式分割したこともあり、株価指数に与える影響が小さくなりました。

セクター別構成をグラフにするとご覧のようになります。

NYダウ・セクター別構成

NYダウ・セクター別構成
GAFAMへのウエイトを少なく抑えられたNYダウは、IT以外の工業、ヘルスケア、金融、一般消費財などのウエイトが大きくなっておりセクターによる偏りが少なくなっています。NASDAQ100やS&P500よりも一般消費者の生活に近い指標だと言えそうです。

今回は、アメリカ経済を代表する3指数について確認しました。幸運なことにどれを買っていてもプラスでした。

簡単にまとめると次のようになります。

・NADAQ100は、ハイテク銘柄が中心
・S&P500は、米国企業の80%をカバー
・NYダウは、オールドエコノミーのウエイトが高く一般消費者の生活感に近い

2021年、コロナは収束に向かうのか。それとも長い戦いはまだまだ続くのか。
今後、新型コロナウイルスの感染状況によっていろいろなシナリオが考えられそうですが、想定するシナリオによって資産運用のバランスも変わってきます。選択肢は無限にありますが、今のところインデックス投資は、有効な投資手法だと言えそうですね。

このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもございません。ご了承ください。


参考文献:
・Yahoo.com
https://finance.yahoo.com/
・NASDAQ
https://www.nasdaq.com/
・S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス
https://japanese.spindices.com/indices/equity/sp-500
・ダウ・ジョーンズ工業株価平均
https://japanese.spindices.com/indices/equity/dow-jones-industrial-average
・アップル、1対4の株式分割発表-株価400ドルに迫る大幅上昇で
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-30/QEAUBWDWX2Q001

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