皆さま、おはようございます。CFP(ファイナンシャルプランナー)のワイワイこと岩井です。
日本時間、7月11日21時30分に発表された米・消費者物価指数(CPI)の内容は、衝撃的なものでした。
<6月の米消費者物価指数>
前月比 ・・・-0.1%
前年比 ・・・ 3.0%
どちらも事前予想を下回る結果でしたが、中でも前月比がマイナスだったことには驚かされました。
これまでの前月比の変動をグラフで表示すると次のようになります。
米消費者物価指数(前月比)
出典:米労働省
グラフが示すとおり、基本的にアメリカの物価が下がることはあまりありません。最近では、2020年3月から5月にかけてマイナスになりましたが、これはコロナショックが直撃した時期です。
余程のことがない限り、アメリカの物価が下がり続けることはありません。
コロナ以前の物価変動を振り返ってみます。
米消費者物価指数(前月比)過去10年分
出典:米労働省
やはり、プラス成長になることがほとんどで、時々マイナス成長になる時期もありますが、連続してマイナスになることはほとんど起きません。コロナショック以前でマイナスが続いたのは2014年11月から2015年1月にかけてです。
この時、何が起きていたのでしょうか。
この時期に起きていたのは、シェール革命による原油価格の大幅下落です。
技術革新によりアメリカでシェールオイルの掘削が可能になり、原油供給量が大幅に増加したことが、後にシェール革命と呼ばれる出来事です。
当時発売された経済紙では、盛んに原油安の特集が組まれていました。
WTI原油
(出所:TradingViewによるWTI原油チャート)
WTI原油の値動きを見ると2014年11月以降、原油価格が大幅に下落していることが確認できますね。
コロナショックの時、WTI原油先物価格がマイナス水準まで下落したのを覚えていますか?
エネルギー価格の変動は、物価に直接的な影響を及ぼしていることが過去のデータから分かります。
まとめ
6月の米・消費者物価指数はマイナス成長になりましたが、WTI原油の価格は80ドル前後で落ち着いていますので、この下落は原油価格が原因ではなさそうです。一時的な下落と考えた方が妥当なのかもしれません。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。
・米労働省