2024年7月14日、トランプ前アメリカ大統領が銃撃されるというショッキングな事件が起きました。
幸いトランプ氏の命に別状はありませんでしたが、会場にいた観衆の1名が亡くなり、2名が負傷するという悲劇を招いてしまいました。
日本でも、安倍元首相が2022年7月に銃撃され命を落としています。
私たちが日本で生活していて銃口を向けられることはほぼありませんが、世界に目を向けると状況が違ってきます。
次のデータは、2017年にスイスのSmall Arms Surveyが発表した民間人が保有する銃器の推定総数です。
民間人が保有する銃器の推定総数
出典:Small Arms Survey 2017
アメリカだけが圧倒的な数です。なんと、3億9330万丁もの銃を民間人が保有しています。2番目に多いインドが7110万丁ですので、インドの5倍以上の銃を民間人が持っているわけです。
国民一人当たりでみるとどうなのでしょうか。 次のグラフは人口100人あたりの銃保有数です。
民間人が保有する銃器の保有数(人口100人あたり)
出典:Small Arms Survey 2017
なんとアメリカは、人口100人に対して120.5丁もの銃を保有しています。一人あたり1.2丁の銃を持っている計算です。
多くのアメリカ人が銃を保有しているのは、1791年に採択されたアメリカ合衆国憲法修正第2条「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない。」によって、銃を保有する権利が憲法によって保障されているからです。
1791年というのはアメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンが就任していた時代です。1775年から1783年の間、アメリカ独立戦争がおこなわれ、1787年にアメリカ合衆国憲法が制定されました。
独立してまだ間もない混沌とした時代に制定された憲法が200年以上も変わっていないというのも不思議なものです。
ちなみに、日本経済新聞によると2021年に銃が原因で亡くなったアメリカ国民は約4万8000人だったそうです。 2023年に交通事故で亡くなったアメリカ国民の数は4万0990人でしたので、交通事故よりも銃で亡くなる人の方が多いということになります。
トランプ氏は、全米ライフル協会からの支持を受けており、バイデン政権による銃規制を撤回することを公約としていますが、今後どうなるでしょうか。
少しでも平和な世の中になってほしいと願うばかりです。
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・Small arms survey