コアコアだけ下がる日本の消費者物価指数
2024年08月23日
皆さま、おはようございます。CFP(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)のワイワイこと岩井です。
2024年8月23日、日本の消費者物価指数(CPI)が発表されました。
・総合指数(CPI)は前年同月比で 2.8% の上昇
・生鮮食品を除いた総合指数(コアCPI)は前年同月比で 2.7% の上昇
・エネルギーを除いた総合指数(コアコアCPI)は前年同月比で 1.9% の上昇
今回のデータでは、エネルギーを除いたコアコアCPIが2%を割り込みました。
これまでの変動をグラフで表したのが次のものです。
全国消費者物価指数(前年同月比)
出典:総務省統計局
このグラフからわかるのは、コアコアCPIが他の指標(CPIおよびコアCPI)よりも大幅に低い時期と高い時期があることです。
特に、2023年2月から2024年3月までは「CPI & コアCPI < コアコアCPI」という状況でしたが、2024年5月以降は「CPI & コアCPI > コアコアCPI」へと変わりました。
コアコアCPIの特徴
コアコアCPIと他の2つのCPIの違いは、エネルギーを含むかどうかです。コアコアCPIが低いということは、エネルギー価格を除いた物価成長率が低いことを意味します。
興味深い点は、このバランスが常に一定でないことです。2023年2月から2024年3月まではエネルギーを除いた指数が含む指数よりも高かったのに対し、現在はその逆の状態です。
日銀の展望と今後の見通し
日銀のホームページには以下の記載があります。
「物価は来年度以降2%程度で推移する」
「2%目標のもとで金融政策を運営していく」
政策委員の経済・物価見通し(生鮮食品を除く)
・2021年度: +0.1%
・2022年度: +3.0%
・2023年度: +2.8%
・2024年度: +2.5%
・2025年度: +2.1%
・2026年度: +1.9%
※日本銀行HP(https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/highlight/ten202407.htm)より抜粋
日銀が目標としている2%は、生鮮食品を除いた総合指数(コアCPI)に基づいています。先ほど確認したグラフでは青色の線がこれに相当します。
コアCPIの動向
全国消費者物価指数(前年同月比)-コアCPI
出典:総務省統計局
コアCPIだけを単独で表示すると、物価成長率は2%以上を維持しており、安定しているように見えます。しかし、生鮮食品やエネルギーの価格は、天候や海外市場の影響を大きく受けやすく、その影響を除いたコアコアCPIは、むしろ荒れた展開になっています。
これは、収穫量のコントロールや補助金による価格コントロールの効果が物価変動に表れていると考えられます。
今後の注視点
コアコアCPIが2024年に入ってから緩やかに成長率を鈍化させていることが注目されますが、この傾向がコアCPIにどのような影響を与えるのか、今後の変動を注視する必要があります。
このコメントは編集者の個人的な見解であり、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご了承ください。
・消費者物価指数(CPI)-総務省統計局